今回は意表をついて謎解き回で、しかも未完。さらに大蛇を相手に主人公の岩永琴子が自分の推理を披露するという、何重にもドラマツルギーからはみ出した話。
第一に大蛇に(今回の件でも)会うのはどう考えても初回ではない。死体が落ちるのを目にしてすぐに琴子に連絡をとり、調べてもらったと考えるのが自然かと。
さらに事件自体に重きを置くなら「刑事コロンボ」のように殺しの場面から始めるとか、ホームズのように依頼者の訪問から始めても良かった。しかし第一回で登場人物の紹介を終え、本領発揮となる第二回では怪異との問答で、琴子は自分の考えを解説。ということは琴子の推理さえ真実の断片の可能性があり、真犯人を暴けない危うさがある。
つまりミステリ一般への批判であり、偏見や思い込みを持つ人間が真実に辿り着けるわけないだろという主張と憶測でき、次も楽しみ。
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