[4759]『ヤマノススメ』と『タッチ』 その2

 
第7話    働かざるもの、登るべからず!?
第8話    ふたつの約束


 今週はあおいのアルバイトの話と、あおいとひなたが別行動をとる話。前者はひなたがデート(笑)しようと持ちかけるも、バイトが入っていると断られる場面で始まる。ひなたは寄ってくれたクラスメイトから学校とは違うといわれるほど、充実した働きぶり。
 一方のひなたは行きの電車で、あるいはプラネタリウムで、幻の隣のあおいに話しかけ。二人の立場が、第1期の始まりと完全に逆転している点が面白い。もちろんいざとなれば「元通り」の立場になると考えられるけど、自立していくあおいと、まだ隣にいて欲しいと思うひなたの対比が、短い時間に凝縮されてた。
 でもひなたは帰りにあおいのバイト先を外から眺めるも、充実したあおいの働きぶりを確認しただけで、店に入ることは止す。まるであおいの実際のお母さんのように、寂しさを感じつつ喜んでもいたはずで。
 しかしあおいとひなたの話だけでは終わらず、伏線を張ったモンブランの話で終幕。原作の第8巻、あとがき代わりの番外編の話で、私もほっこりと。最後に持ってくることでやはり山ガールの話だと、アニメの作り手が視聴者/ファンに確認させた格好で、私は脱帽。
 次はあおいはほのかの地元の伊香保温泉、ひなたはここなちゃんとだけで赤城山の話の(多分)前半。原作ではあおいの予定は決まっていたことと知り、ひなたはむしろあおいの行動力に感心を。
 しかしアニメでは電話の行き違いに変えたことで、あおいとひなたの思い/想いのずれの一因に。前以って見てしまった評判には不評もあったけど、(こと『ヤマノススメ』に関しては)原作との違いに慣れてる私には、面白く視聴でき。
 多分アニメの作り手は山に関しては登場人物(特にあおいに)に一定の成果を与えたため、「次」の障害を「人間関係」にしたかったと推察。なら筆頭はあおいとひなたの関係であり、亀裂を生じさせたいと欲したと考えられ。以上の作り手の欲は理解でき、また実際のアニメでも面白く表現。
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