実は今年の春からファーストシーズンから再放送されるのを機に視聴しているアニメ。面白かったので原作を先週の火曜日から飼い始めたところで。作品評は後日の宿題として、取り急ぎ今日論じたいのは倉上ひなた。
本作の主人公雪村あおいを山に引っ張り込んだ張本人。作者しろを投影し、題名の「ヤマノススメ」を体現した人物とも考えられる。しかし私のブログで再論している浅倉南と比較して論じれば、アンチの存在という見方もでき。浅倉南が「一つくらい得意なものが減ったって、南のすごさは変わらねえよ」という(作中でも)存在なのに対し、ひなたは強引だったり大雑把だったり料理が下手だったりと、(あえて言えば)親しみやすい欠点を持つ。
しかしあおいと違ってわからないときは人に尋ねる率直さを持ち。おあいあとの料理対決でフリーズドライを使うずるさもありますが、ずるさも含めてできないことは他を頼ること、人生で必要とつくづく思う。つまり「人は一人では生きられない」を体現するのが倉上ひなたで、連載初期の雪村あおいは自己責任論を体現した人物と考えられ。
実際、実社会で成果を出すのは様々な業界/分野に顔が利く人間というし。まして登山は自然に直接触れるスポーツだから、先輩たちの知識や経験に裏打ちされたノウハウは絶対必要であり。しかし先人の叡智を習得し続けるという倉上ひなたの在り方は、混迷の時代に生きる私たち一人ひとりに必要と今更気付く。
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