[4727]文庫『世界史のなかの昭和史』…半藤一利

 

 玉石混交だから(半島)朝鮮と日本の関係の本を避けて来たけど、韓国の駐在経験のある青木理さんの説明で゜、韓国人は日本(人)を恨んでいるはずという私の前からの想像が立証した形。私が明確に認識したのは科学者の伝記で戦間期のドイツを知り、ドイツを失敗学としての「戦後日本」を察して以降のこと。第二次大戦の勝者である米国が「ナチス(国家社会主義)日本」を恐れたためとはいえ、日本を甘く遇してくれたことを韓国人は反発しているはずと容易に想像。

 実際、青木さんの説明は以下の通り。

 「日本はずるい」と。なぜかと尋ねれば、ヨーロッパでは侵略者であり敗戦国だったドイツが分断され、塗炭の苦しみと努力の末に統一を成し遂げて成し遂げて現在に至っている。周辺国との歴史問題もある程度は乗り越えている。一方のアジアでは、植民地支配から解放された朝鮮半島が分断され、いまなお統一が果たせていない。米軍基地にしても、韓国は首都ソウルにも広大な基地があるのに、日本は戦後、その大半を沖縄に押しつけた。ましてや日本の戦後復興は朝鮮戦争の特需によって跳躍の足がかりを得ている。結局のところ、戦後日本は嫌なものをすべて「周辺部」に押しつけ、本土は繁栄の果実だけを享受してきたのではないか。だから「ずるい」と。

 長々と引用したのは私の推測による認識と同一だから。さらに半藤一利さんの台詞で朝鮮半島の「解放」の事情を確認。

 ちょうど満洲の居留民を軍が、というか国家がすっぽかしたように、朝鮮半島も合併して自分たちの領土なのに、それもすっぽかしです。どうなろうと知ったこっちゃない。日本は日本だけで精一杯でしたから。

 後は私も伝記を一通り読み終えてから知ったことだけど、(日本)内地の朝鮮系の扱い。以前の企画書記事にしたネタだけど、当時の日本政府は日本国憲法発布前、朝鮮系日本人の日本国籍を剝奪したらしく。私は国家/体制の怖ろしさ、身勝手さを今さらながら知りました。だから私は朝鮮人の知り合い、友人ができたら日本人の一人として詫びるつもりで。

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