中立のサイドに設置されたという通説は実は経過が逆で、サイド6はもともと図書を主とする人類の文化の集積場所として建設された。一年戦争でジオンと連邦政府が交戦状態になり、スペースコロニーがジオンか連邦か選択を迫られた時、既に文化サイドと認知されていたサイド6だけは、むしろジオンも連邦も中立を強く要請。アースノイドの避暑地として地球の別荘地を再現したコロニーもあったため、アムロ・レイとララァ・スンの邂逅もでき。
しかし観光地としてのサイド6の目玉は出版された全ての書籍・雑誌が閲覧出来ること。天窓で覆われた巨大なバルコニーでの読書は色調が白なら爽やかな気分になれるし、木目がある壁や柱なら落ちついて物語に集中できる。靴を脱げば寝転がれる場所も用意されているが、読書マニアや研究者に重宝されるのは通称「万年書庫」。少々長い通路を歩いて中庭に出、点在する貸別荘のドアを開けると薄暗く、やはり長い通り道。
行き止まりまで歩くと突然明るくなり、円筒の吹き抜けの真ん中に立っていると分かり。周囲360°は何キロもあろうかという高度で、奥まで何層も書庫が隠してある巨大な書架。人類を語り伝えるために人類自らの英知をかき集めた、万人に利用してもらうためにあらゆる知恵と工夫を動員したグランド・ブック・センターの「初期画面」。とはいえ略称GBCの機能と情報のうち、サイド6が管轄するのはほんの一部。
仮想空間での貸出から返却までの過程は、殆どがGBCを所有するオール・ブック・ライブラリー以外の図書館のシステム。略称ABLに実物がある図書もシステムを軽くするため、一般に流通する/した書籍や雑誌の仮想閲覧は、他の図書館のシステムを利用。とはいえ地球とコロニーの行き来が安全になった今、希少本がABLに集まり出し。だから希少本用に第二「GBC」を検討中だが、また膨大な資金を要するので、調達方法や低減策の両面から研究を。
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