アニメ業界の低賃金は手塚治虫のせいなのか? 見えてきた意外な真実
 

 企業経営者なら上記のリンク先の記事で驚き、納得すると私は想像。「やっぱり手塚治虫の罪は重い」と。記事の書き手は虫プロの社長としての手塚の弁護のための記事のつもりだけど、アニメ以外の業界の、中小企業でも社長からすれば「会社経営に理念はあっても計画はあったのか?」と訝しむと想像を。そもそもマンガの神様がアニメを作ろうと思ったのは自分のマンガをアニメにしたいという「夢」だったからで。

 だから手塚がマンガに専念した「パラレルワールド」でもやはり週一の30分のテレビアニメは作られたと思うが、(出自が違うから)今の日本の状況とは全く違うはずであり。もちろん当時の手塚の蛮勇には一人のアニメファンとして感謝。とはいえ当時のプロ野球経営と同じ「親会社頼み」で、以後の制作会社の経営(方法)を歪ませたことは事実かと。実際はアトムの放送開始の1963年以降も、短く見積もっても80年代一杯、特にパリーグは親会社抱えのチームだったはず。

 プロ野球の歴史ではライオンズが有名な話で、太平洋クラブライオンズからクラウンライターライオンズ、さらに西武ライオンズに変わり、現在に至る。近年では阪急ブレーブスがオリックス・ブレーブスからオリックス・ブルーウェーブを経て、近鉄バッファローズと合併した経緯が存在。以上のように経営基盤が実は脆いのがプロ野球であり、反面教師にして発足したのがJリーグ。もちろん出だしは親会社からの資金援助がいるが、独立採算を目指すのがJリーグの崇高な理念。

 以上のプロ野球とJリーグに関する論は、野球とサッカーに少しでも関心のある50代なら容易ですが、アニメ制作に関して示唆に富むと思うのでした。手塚治虫という「個人の親会社」頼りの「虫プロモデル」が破綻した後、アニメ制作はJリーグ型に移行し損なった/なっていると考えるから。いや、虫プロ以前から続く東映動画は東映アニメーションとして、虫プロの人材はマッドハウスやサンライズとして存続している、という批判は想定済み。

 虫プロの破綻を体験した人間は会社の存続を至上命題としたのですね。ただ虫プロ社長としての手塚を弁護できる点として、著作権は守った点が挙げられ。自分の原作に限った話ですが、商品展開が多岐にできる製作委員会方式は避け、たとえ開発自体は任せっきりでも商品売上のパーセントは虫プロに入ったらしいのですよ。今となっては創業当初のサンライズが原作ものを避けてロボットアニメを作り続けたのも、手塚のⒸの考え方を踏襲した結果と推察でき。

 

参考:オリックスバファローズ - Wikipedia

   福岡野球 - Wikipedia
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