[4447]『タッチ3』 49「お前らの感傷だけだ」


 左奥にマウンド上の達也、右手前にスタンドの南、二人とも左向き。
(達也の声)「よし」
 達也、身体を左向きから正面に向き直す。
 達也、振りかぶる。
(達也の声)「行くぞ、孝太郎!」
 達也、足を上げて左向きに投げる。
 須見工のベンチ、左の新田と右の大熊、右向き。
 右向きの孝太郎、驚いた表情。
 孝太郎、外角大外れを捕球。
 孝太郎、内角低めを捕球。
 孝太郎、内角高めを捕球。
 孝太郎、真ん中高めを捕球。
(主審の声)「フォアボール!」
 少し笑顔の柏葉。
 ちょっと驚いている南と原田。
 マウンド上の達也、一塁の方を見て、セットポジション。
(大熊の声)「新田さん」
 左側面を見せている新田。
新田「あれが上杉達也だ」
 新田、斜め後ろから。右奥に投げる達也。
新田「悪くすると」
 須見工のベンチ、全景。
新田「もう点は取れない」
 セットポジションから投げる達也。
 手前に投げ切った達也の後ろ姿、奥に主審、キャッチャー孝太郎、須見工の一番バッター森川。森川、見逃し。
主審「ストライク、バッターアウト!」
 感心した表情の住友里子とマネージャー、左向き。
 空振りする二番バッター中谷。
主審「ストライク、バッターアウト!」
 左向きの佐々木と由加。
 空振りする三番バッター尾崎。
主審「バッターアウト、チェンジ!」
 達也、右腕を伸ばしてガッツポーズの後、マウンドを下りる。
(原田の声)「あれは上杉達也だ」
 左側面を見せている南。
南「うん」
 グラブを持って立っている新田、右で座っている上村に顔を向ける。
新田「監督」
 ベンチに座っている上村。
(新田の声)「これで明青は互角になったと思って下さい」
上村「甲子園四回連続出場の須見工にか?」
 ベンチに戻る達也を新田、左向きで見る。
新田「勝負なんて水物ですよ」
 三塁へ歩く新田。
新田「咬ませ犬のボクサーが」
 座っている上村。

上村「チャンピオンに勝つこともあります」

 

[4451]『タッチ3』 51「柏葉と達也との対話」

 

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