ボーアの講演
〈講演内容〉 〈スペクトルと対応原理について講義。遷移に関する正確な決定はできない〉
 意見するアインシュタイン。
アインシュタイン 「私はは科学の伝統を継ぐ者として、要素的過程の時間と方向に決定の余地を残すものに反対する。法則によりすべての作用は予知されねばならぬと私は確信する」
 プランク、講演しているボーアに目を細めて笑み。
(ボーアの声) 「プランクとは暖かい友情を結んだ。プランクはまた、一九二一年にできたブライダムスヴァイの新しい研究所の最初の客員研究者になった」

 ヘトヘトになって外に出るマイトナー、ジェームス・フランクとグスターフ・ヘルツ。
マイトナー 「ねえ、アインシュタイン先生とボルン教授の会話の応酬、意味分かった?」
フランク 「意味不明」
ヘルツ 「同じく」
マイトナー 「仕様がない。私が交渉して、お偉方を排除して若手だけの講義を開いてもらいます」

 ボーアを訪ねるマイトナー。プランク、同席している。
マイトナー 「プランク先生、お暇をお願いしたいのですけど」
プランク 「どうぞどうぞ。若い人の話に年寄りは邪魔しないよ」
マイトナー 「まっ…」
 プランク、部屋を出て行く。
 微笑んでいるボーア。
(マイトナーの声) 「それで、」
 顔を前に突き出しているマイトナー。
マイトナー 「ボーア教授!」

別荘
 別荘に入るマイトナーたち。
マイトナー 「ハーバー先生のクラブハウスで良かったのに」
フランク 「別荘の方が落ち着くだろうって」
 振り返るマイトナー。
マイトナー 「どうもすみません」
ハーバー 「若者の行動を認めるのが年寄りの役目だ。それに、アインシュタインもランチに招待してくれという交換条件も出したのでね」
 一室でマイトナーたちの質問攻めにされるボーア。
 ユーモアたっぷりに答えるボーア。
 ハーバー、アインシュタインも同席するランチ。
 「お偉方」の意味を説明しようとするハーバー。



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