四月二十日前後
コペンハーゲン
 手紙を読んでいるボーア。
(ハイゼンベルクの声) 「エドワード・テラーを紹介いたします。 二二歳で水素分子イオンに関する量子力学的な博士論文研究を完成した学生で、ボーアの良き協力者になるでしょう」
 顔を上げるボーア、論文も持っている。
ボーア 「これが君の論文か」
 テラー、緊張気味の大声。
テラー 「はいっ!」
ボーア 「よく書けている。ここで研鑽を積んで頑張ってくれたまえ」
テラー 「分かりました!」
 微笑むボーア。
ボーア 「しかし気負いは要らないよ」
 テラー、気の抜けた表情。


[3908ej30 0420 .txt]