日曜の午後に放送している私もテレビ欄で確認する番組ですが、今回は若干趣向が違いました。
NHKが今見せたい番組、あるいは視聴者からの要望に応えるのが趣旨と扱う内容から思ってたけど、
今回はフィルムの保管場所を見せたのが最大の違い。つまり記録の発掘自体がカンボジア人に、
意味があるということで。ポルポト政権以前の記録は文書も映像も「消去」された国らしく。
知識人も殺されたことでカンボジアは「歴史」を喪失した国家と定義でき。だから平均年齢は若いが、
出演した映画監督も(「ポルポト」以前を知っている)の自分の親から4思い出を聞くことを回避。で、
外国人が記録した(今回は)映像を収集してカンボジアで公開する活動が要るわけ。幸い今は、
インターネットがあるので翻訳本や外国人による記録が見つけられ易いはず。
番組では映画監督ソト・クォーリーカーさんが「ポルポト」以前をカンボジア人は知るべきという、
趣旨に賛同したNHKが記録映像を発掘する構成であり。映像は森田美由紀と、カンボジアと縁のある、
日本映画大学教授の熊岡路矢とともに鑑賞。鑑賞して感想を述べるだけなら今までと似た構成だが、
今回は記録映像を挿入した監督自身の劇映画を(一部だけど)公開する形。
記録を逸し、思い出語りを避けることの恐ろしさを察せた番組と私は考え。番組ではベトナム戦争と、
国家の代表としてのシアヌーク殿下を否定したジョンソン大統領に元々の原因を求める。とはいえ、
私としてはポルポト政権が成立し、確立した過程を知りたく。軍事政権だからという理由は察するが、
反ポルポト派によるクーデターを(物語として)容易に想定できるから。
[3693kanbojia.txt]