三月一九日
プランク
ユダヤ人追放をきっかけとした計画が具体化されていったが、気高い心根と国家肯定の観念の持主であったプランクには、考えられないことであった。プランクは他の多勢と同様に、原因と結果を混同してしまったのである。一九三三年三月一九日、アインシュタインに書き送っている。“この不穏で困難な時代に、あなたの公私に渡る政治的声明に関して作り出されたあらゆる噂を、深い憂慮をもって見聞きしています。私の立場では、それらの意味内容を吟味することはできません。ただひとつ極めてはっきりしている事は、あなたを高く評価し、尊敬する人々にとって、あなたを支持することが大変難しくなっている点です。けれどもこの点に述べるよりも、噂のせいであなたと同じ民族、同じ信仰を持つ人にとって、もともと困難な立場が決して楽にはならず、却ってひっ迫してしまうと申し上げたいと存じます”。
『プランクの生涯』より
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