放送中の「AGE」は不明だけど、宇宙世紀か否かに関係なく「00(ダブルオー)」まで、
ガンダムシリーズの主人公は「憧れ」を最大の特質にしていなかった。マチルダに対する憧憬は、
アムロの成長のために作り手が利用したものだし。私が唯一の例外と考えるのは新訳のカミーユ。で、
二人主人公を設定した『オーバーマンキングゲイナー』も、年上に対する憧れが描かれたはず。
しかし「憧れ」の問題を真っ先に思いついたのは、「宇宙への憧れ」について。宇宙世紀でも、
地球に住むアースノイドの少年少女のなかには却って、夜空で見える世界への憧れを抱くと考え。が、
実際にスペースコロニーに住んでいるスペースノイドにとって、宇宙暮らしは夢のある物語ではなく。
とするとアースノイドを主人公にする場合の特質も明確になる。
今回の発想の元は、『ガイア・ギア』の主人公が宇宙に行くきっかけが老人の忠告と思い出し、
進んで宇宙へ飛び出す主人公を私が観たかったから。抱いていた憧れが虚構と知ったあとで、
改めて宇宙に希望を抱く展開を思いついたのですね。しかしスペースコロニーよりも外の、
木星圏での資源採掘さえ満足できなくなるものと。
というのも宇宙への憧れは、太陽系外の天体写真で育まれたと思うため。他の子供たちは、
地球に住んでいることに自尊心を持ったり、親から有難さを教わって、危険な場所に赴く必要を、
理解できない。しかし主人公は天体写真の煌びやかさとともに、木星船団へ単身赴任した父親から、
宇宙の素晴らしさを教えられ。しかしガンダムに乗っている間に、嘘も混じっていると気づき。
宇宙への憧れだけで一本にしてもいいけど、以前の考察に組み入れるなら武士道もの。理由は、
なくなった憧れから、立ち直れる理屈になるからであり。さらに考えればアムロの場合よりも、
親子の問題を劇の中心にできることに。「父親殺し」と「母からの離脱」という要素。
とすると武道へのきっかけに、親は関わっていないと設定を。
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