[2534]二進数は「数」ではない…①

 論理和とか論理積というのは、集合から発展した概念です。習った数学の分野の中でも、
数式や図形とは異なる思考を要求されるため、戸惑った人もいることと。他には確率と行列が、
算数から続く「数えられる世界観」に収まらない分野で。交わり(∩)とか結び(∪)とか、
全体集合(∀)など、分野特有の記号で成り立つ分野だから。

 早速集合談義を始めると、全体集合を12までの自然数と定義するとき、
部分集合をアナログ放送の時分の首都圏のVHFのチャンネル、部分集合を自乗の数と定義。で、
実際の要素を並べると以下の通り。


={1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12}
={1,3,4,6,8,10,12}
={1,4,9}

 以上から“1”と“4”が両方の集合に含まれるけど、記号で書くと∩か∪か? 空けるのは、
考えてもらうため。





 まず上記した、言葉と記号の覚え方を示したほうが良く。私は「結び」は「ゆすび」と解釈して、
「∪」と覚えました。次に言葉の意味ですが、「交わり」は線だとまさに交わっている箇所なので、
共通部分という理解。以上から共通部分なので交わりになり、「ゆすび」でないことに。なので、

V  ={1,4}が答え。

 一方の結びは両方を足し合わせた集合なので、

V  ={1,3,4,6,8,9,10,12}という要素になる。



 以上から真理値表を論ずるのはかなりの飛躍なので、足し算と掛け算から考えた方が近道。

        ∨    ∧ 
 ――――――――――
  0  0    0     0
  0  1    1     0
  1  0    1     0
  1  1    1     1

 「∨」は論理和で「∧」が論理積ですが、それぞれ+と×に置き換えて考察。すると論理積が、
矛盾なく考えられることが了解され。論理和も思考の飛躍が必要なのは四行目だけで、
「ある」「なし」で考え直せば理解できると思うのですね。「ある」ときが「1」と定義すれば、
片方だけでも両方でも問題にしない論理演算。

 しかし本来の足し算なら四行目の答えはゼロ。実際の発見の順序は違うかも知れないけど、
片方が1の場合だけ1とする論理演算が生まれたわけ。つまり排他的論理和。

 V       V 
 ―――――――
  0  0    0
  0  1    1
  1  0    1
  1  1    0

[2439set.txt]