日本人の知らない日本語』の著者が国文学をネタにしたエッセイ(&)マンガ。「~日本語」は
本屋で見かけて、外国人から日本を見直す切っ掛けになると推察を。しかし外国人の知人がなく私は、
必要ないと考え立ち読みもしていません。本作も去年から迷ったのですが、古典への案内と定義し、
ようやく買った次第。昨年末に歴史が題材の新書を買っていたから、踏ん切りがついた格好で。

 少し立ち読みしたから今さらの話もあるけど、通して読んで気づくのは人間の変わらなさ。私も、
「今昔」や『日本霊異記』が残っていることで、人における物語の重要さを察していました。しかし、
本作で「源氏物語オタク」や「宇津保マニア」の実例を示されると、呆れるよりも、お話への熱中も、
遺伝子に書き込まれていると仮説したくなる。

 日本語の先生のエッセイも含めて、他の「あるある」も千年で人は変わるわけないと思えば、
不思議がることはないけど、古代や中世の人間が身近に思えたのは確かなこと。清少納言と紫式部、
さらに菅原孝標女は本人が魅力ある俗物。一方で安倍清明は実際の活躍より室町時代での扱いに、
現代の流行の作られ方と同じで驚き。実際、伝説は歌舞伎や浄瑠璃の元ネタになっているらしく。

 一時期、古典に手を出したものの長続きしなかった私には、目論見どおりに案内書になりそうです。
さしあたって『方丈記』や『徒然草』に手を出すと宣言し。

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