小松左京が虚無の世界に旅立って以降にSFでの立場が、ほとんどマンガやアニメでの手塚治虫と、
思いついてはいました。しかしそれぞれの分野で大きすぎる存在のため、作り手自身にとっての、
小松や手塚を込めた作品はなかったかも知れない。日本のSF小説は語れるほど読んでいないけど、
マンガやアニメでは偉大な先達として理解されている手塚の価値を、告白した作家はいないのでは。

 もちろん自分の描く主人公が矮小になるのがいやだから、中二病に代表されるセカイ系に、
なびいてしまうものと。あるいはあだち充のように作り手自身の人間関係を投影するとか。また、
現在は肖像権がうるさくなって不可能になった実録もの(『プロレススーパースター列伝』)や、
進んで社会に問うたマンガ(『美味しんぼ』)も出てきて。

 しかし取材はお話に説得力を持たせるために必要だけど、漫画やアニメ自体の魅力を、
伝えることにならなく。『∀ガンダム』の黒歴史が解釈できる以外、創始者を扱った漫画やアニメを、
視聴した覚えがないから。しかし作品の経過自体を未来史に移植できるし、自分の主人公の立場も、
自ずと決まるというもの。私自身は手塚マンガを持っていないけれども。


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