少年サンデーであだち充の(不定期)連載が始まりましたが、露骨に「もしドラ」の形を借り、
さらに自分の『タッチ』や『H2』を越えようとする目論見は、私にとっては明白で。しかし、
私が「もしドラ」のアニメ企画者なら、あだち充にキャラデザとマンガ版の執筆を頼んだ。もっとも、
企画当初か、脚本が上がりはじめてから声をかけるかという問題はあるけれど。

 さて久しぶりの浅倉南論ですが、「タッチ論」ではないのは南ちゃんが主人公だと、
『タッチ』の主題からずれるから。南ちゃんは家の手伝いが出来るまでは鬱屈があったと、
推察したことがあり。だから小学校高学年から中学までは、本人はあまり不満はなくても、
日々の鬱屈を晴らしたい大衆に提供できる物語にはならなく。

 問題は『タッチ』のあとの浅倉南。私自身は由加さんとデートしたタッちゃんを、
自分の推理で弁護してしまったため、科学者で通用すると想像を。もっとも『タッチ』以後、
形になったアニメ版でも私自身の想定でも、きっかけが想像できないので無理な進路。なので、
再話としての私の続編『タッチ』から導こうとすると、俳優、女優業が適切だろうという結論。

 私の思い付きでは『リング』と『パラサイト・イヴ』への出演が初仕事ですが、先を考えると、
南ちゃんも不安になるはず。俳優業はつねに新しい人材を求めるから演技力がなくても、
初めだけは地だけで成り立ってしまう。しかし少しでも俳優業の深さを想像しようとすれば、
新体操の経験から推し量るだろうから、並大抵でないと思い至る。

 しかし「頼まれたらいやとは言えない」という自分に向いている仕事と自覚すれば、
演技の基礎から学ぼうとするでしょうね。米国では演技を学び直せる学校があるみたいだけど、
日本に限れば無名塾とか。南ちゃんが一発屋に終わる危うさを出来たのは、私自身の続編で、
野球の下積みの必要をタッちゃんから聞かされていたため。



[1748]「タッチ・リスト」・その2
[2163touch.txt]