吉村昭『大黒屋光太夫』とマモー本とポールウィリアムスと | 恋着、横着、漂着 遊び盛りゆるゆるのびのび60代

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 吉村昭『大黒屋光太夫』を先週から読み始め、今日の朝、通勤電車の中で上巻を読み終えた。

 読みながら、こりやぁ「大河ドラマ」にはならないなあとマヌケなことを考えた。井上靖の原作がかつて緒形拳主演で映画化されたことがあって、未見ながら、おそらくはやたら端折って物語を進めざるをえなかっただろうと推測している。

 ところで、同じ吉村の『虹の翼』を読んでいたのだが、途中で放り投げた。後半、戦記がらみになってから途端に面白くなくなって、実在の主人公も明治期の体制に翻弄されながら志を遂げることが出来ず・・・という展開に飽きてしまった。吉村昭ファンの端くれではいるつもりだが、途中で放り投げたのは初めてである。

 ただし、戦記物は全く興味がないので、初めから手を出さない長篇もある。

 

 通勤電車に持ちこんだのは、他に手に入れたばかりのマモー本、それにマモーのモデルであると初めて知ったシンガーソングライターのポールウィリアムスの一曲「故郷への道を教えて」の全歌詞コピーである。

 マモー本には、台本決定稿も収録されていて小躍りしたくなったが、仕上がった映画のセリフはかなり改変されていて、ありゃやっぱりそうなのかと少々気落ちしてしまった。スクリプトとして再現するには、どうやら自分でdvdをその都度止めて速記して、後にパソコンで清書するという方法しかなさそうだと悟った。

 

 ポールウィリアムスによる映画「サンダーボルト」の主題歌は、一行ずつ覚えて反芻して・・・・を繰り返し、どうにか一日で一番だけ覚えられた。

 風呂の中でゆっくり口ずさんだら、どうにか歌えた。ただし、原曲のテンポで歌うのはまだ無理そうだ。dvdはそれほど高値でもなく、尚且つ山田康雄の吹替え入りらしいから、ちょっとその気になったのだが、うーむ・・・映画そのものがそんなに面白いわけでもないんだよなあ。

 

 マモー本とポールウィリアムスの歌詞を収めたクリアファイルはやや大きく両手で持つようだったので、座れる西武線で、『大黒屋・・・』の方は立って過ごす武蔵野線で読んだ。

 こんな風な気まぐれ、移り気で好きな物に熱中するひとときというのもいいもんである。