乳がんの早期発見のための検査、マンモグラフィー。最近これが、スイスで禁止されたというニュースをテレグラムで見た(もう数週間前になるかな)。結論を言うとガセネタらしい。

 

「スイスはマンモグラフィーを禁止にした世界で初めての国」(フェイクニュース)

 

元ネタは2014年に遡り、2014年4月にスイス医療委員会が「マンモグラフィー健診は乳がんによる全死亡率を低下させない」と結論付けてマンモグラフィーの廃止勧告をしたらしい。これは事実らしい。当時はそんなの聞いたこともなかったし、聞いてもなんとも思わなかったんだろうな。でも、これはスイスだけではなく、同じような研究結果は、カナダやアメリカでも出ているらしい。日本はどうなんだろうね。

 

 

推奨されない理由は、偽陽性と判定される割合が無視できないから、というのと癌を見つける性能が良すぎて体に影響を及ぼすことはないであろう小さな腫瘍まで発見してしまうことで、過剰診断となるからだそうな。

 

 

https://web.archive.org/web/20191219104625/https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakamegumi/20170114-00066547/

 

まあ早期発見で完治できたらそれはそれでいいことだけど、症状が出ていない(出ない)癌までも見つけてしまって、不必要なストレスや治療をするのもどんなものやら。それに記事では触れられてないけど、個人的には不必要な検査による被曝っていうのも怖いと思う。

 

実は私はマンモグラフィーは日本で会社員をしていた時に1度しか受けたことがない。おっぱい小さいから引っ張られて板に挟まれてすっごく痛かった覚えがある。それから何度も受ける機会はあったけど、あまり必要性を感じず、今日まで過ごしてきた。自分でたまに触診はしてるけど。先日受けたビザのための健康診断でも、先生にマンモグラフィーは無料で受けれるから受けた方がいいと言われたな。

 

とにかく、スイス医療委員会の廃止勧告から10年、今年スイスでマンモグラフィーを禁止にていうニュースを見て、ちょっと変だなって思った。確かにオーストラリアや日本みたいに、一定の年齢上の人のマンモ検査は自治体が負担しているのであれば、コストエフェクティブではないし、偽陽性や過剰診断による精神的負担もあるからやりすぎはよくないけど、よっぽどの弊害がない限りやりたい人にはやれる選択肢を残すっていうのが親切だと思うんだよね。一番初めに貼り付けたフェイクニュースには、マンモグラフィーは腫瘍の成長や転移を促進するって書いてあるけど、それが本当かはわからない(調べたけど記事を探せなかった)。それが本当なら禁止になるのも頷けるけど。

 

2014年の廃止勧告は、マンモグラフィーの効果ははっきりしないし、弊害もあるからお勧めしないけど、年齢や状況などケースバイケースだから、各自にお任せするという、極めてリーゾナブルな勧告だったと理解しているので、禁止は行き過ぎだろうって思って、改めてこのニュースを調べてみた結果、やっぱり禁止にはなっていないらしい。

ネットで見たニュースってすぐに信じちゃいけないよね。自分で裏をとらないと。ということで、スイスで禁止にはなっていないけど、このフェイクニュースのお陰で、マンモグラフィについて調べるきっかけになりました。

 

最後に、今の私の考えに一番しっくりくる記事がこれ。定期的なマンモグラフィは命を救わないし、検査を受ける女性に検査によるベネフィットだけじゃなくて、ちゃんとリスクも知らせましょう、という記事。マンモだけじゃなくて全ての検査にいえることだと思います。リスクを理解した上で、やっぱり早期発見するベネフィットの方が大きいと思うなら検査を受ければいいと思う。でも、政府が推奨しているものは全てよい、というのはあまりにもナイーブな考えだと思う。