今日は寒い1日でした。

 私は名古屋の港区で行われた「世界一すてきな僕たち私たちへ」の上映会に行ってきました。
 
 会場は港文化小劇場。300人ほど入るホールはほぼ満席に近い状態で、皆さん真剣に映画を観てくださいました。

 主催は港区自立支援協議会、12月の障害者週間の事業の一環として、映画の上映と講演が組まれました。

 講演は「子どもたちの成長のすばらしさ」について。

 聴覚障碍者のための要約筆記が舞台横の画面に出されましたので、私は事前に原稿を送ってた置いて、準備はしておいていただいたのですが、原稿を見ながら話すのはどうも苦手で、結局は原稿とは関係のない事ばかり話してしまい、大変な迷惑をかけてまいました。
映像には字幕スーパーが入っていますので、要約筆記は講演のときだけでしたが、障害のある人たちが大勢参加していただくためには、本当に必要なことなのですね。

 そして、視覚障碍者のためのシーンボイスも行われていました。

 舞台後ろの調整室で、画面の流れに沿ってシーンの説明を入れていくのですが、ナレーションゃ現場の話などの合間に、適切なコメントを入れるシナリオ作りの作業がまずあって、そして実際に映写されている場面を見ながら、ナレーターがコメントを読み上げていくのですが、今日は映画のナレーターが室井滋さんでしたので、シーンボイスのナレーターは男性の方。
 私はその横で映写の確認をしていましたが、間合いをみながらあまり感情を込めずに淡々と説明していく中にも、ナレーターの方の心の動きがストレートに伝わってきて、面白かったです。

 ときどきテレビの副音声を聞いていますが、まさにそのもの。

 でも、いつもは聞き流しているものの、やはり絶妙の技術が必要なのだろうなあと感じました。

 昨日3日は新作の企画書の提出締切日で、このところ何日か徹夜の状態が続いていたので、体調は万全ではありませんでしたが、気分は「出し切った」ことで解放され、シーンボイスの心地よい響きに疲れもすっかりとることができました。

 そして上映会終了後は名古屋まで戻って、来年1月に「風の舞」の上映会とシンポジュウムを計画してくださっている名古屋大学大学院の若い研究者たちと打ち合わせ。

 私か10年前に「風の舞」をつくった時には、それほど若い人たちがハンセン病問題を研究からをハンセン病問題を取り上げた研究がなされていて、大いに刺激を受けています。

 これも時代の流れなのでしょうか?

 ハンセン病問題はすでに終わったこととして、世間ではとらえられる傾向にありますが、90年にわたって行われた強制隔離の施策の中で、私たちに問いかけているものは奥が深く、しっかりと見つめていくことの意義は大きいものがあります。

 私は研究者ではありませんが、10年前に「風の舞」をつくった時のことを思い出しながら、いま若い研究者たちが向かっている研究とどこで繋がっているのかしらと考えたとき、それは自分自身の生き方の問題に帰ってくるのだと、彼らとの話をしながらそんなことを考えていました。

   写真をつけます。
   港文化小劇場での終わりの頃の会場の様子です。