『きのちゃん!!』


思わぬ所でSさんに呼び止められた。




唐突に

『前から聞きたかったんだけど⋯
ご主人様元気なの?』

『車ないから、単身赴任してるとか⋯?』




『⋯』

なんて言おう⋯




『遠〜いお空のどこぞやに単身赴任しています⋯』




『⋯⋯』



『そうなのね⋯元気にしてるのね』


変にメルヘンチックに
言わなきゃよかった⋯悲しい


『あ⋯指差しお空の⋯遠くに⋯



『えっ!!』
『やだ〜えっ!⋯ご、ごめんなさい⋯』
『私ったら⋯本当にごめんなさい⋯』


ふたりで泣きそうになるも
お店の前なので耐える×××




Sさんはあまりのショックで
息も絶え絶えに⋯


『そうなりますよねぇ⋯
ご近所には言ってないので皆さん
知らないと思います』

『聞かれたら言うようにしようと
思ってたんですけど⋯』

『聞かれないので“離婚した”と
思われてるんだろうな⋯と⋯』
『そもそもレアキャラみたいに⋯』
『会えたらラッキー⋯みたいな⋯』



やっぱり⋯
ショックうけるよね⋯



ワタシ ナニオチャラケテンダロ⋯







ペットロスで
悲しみの中にいたこと知ってるから


このあと
いろんな悲しみを
引っ張り出さなきゃいいな
と思いながら

 では⋯と別れた。






いや⋯私の方が

いろんな悲しみを
引っ張り出しちゃったよ⋯





久しぶりに泣きながら自転車こいだ