針「うわあああ、またふられたよぉ(つд;*)」
針山「はいはい」
針「今回こそは一緒にいられるって思ったのに」
針山「そうだね、いつもより長かった」
針「でしょ?いつもどちらかというと、嬉しくなって振り回しちゃうから。今回は慎重にゆっくり丁寧にやったんだよ」
針山「うんうん」
針「あの子が綺麗にみえるように」
針山「でも生地にとられちゃったんだね」
針「うん……丁寧にゆっくり歩んだ分、それはもうしっかりと」
針山「そういう運命なんだよ」
針「うわあああ、刺繍糸さぁぁぁん」
針山「よしよし」

糸通し「まぁた、泣いてんのか?ほら、新しいやつ紹介してやるよ」
針「え……?」
糸通し「ミシン糸だ」
ミシン糸「こんにちは」
針「こここ、こんにちは」
糸通し「細いけど芯があって意外と強い子だから、お前が多少振り回してもついてきてくれるよ」
針「え、えっと、あ、あの」
ミシン糸「行きましょ」
針「は、はい!!」

針山「いってらっしゃい」
糸通し「……」
針山「なに?」
糸通し「いいのかよ?お前、針のこと好きなんだろ?」
針山「次々新しい子とくっつけといて、よく言うよ」
糸通し「それは……」
針山「いいんだよ」
糸通し「は?」
針山「最終的にはいつもここに帰ってくるんだから」



裁縫セット① end