私、好きな男性のタイプは


引っ張ってくれて

頼りがいがあって

甘えさせてくれる

しっかりした

男らしい人


だった。


歴代彼氏も大体そういう人だった。



なのに


染五郎さんは



常に私の指示に従順に従い

常に甘えてきて

仔犬みたいな

おじさんだ。



毎朝起きて来ると、

家事をしている私の後ろでもじもじしながら

おはようのチューしてもらうのを待っている。



出勤する時も

私の車が停めてある駐車場まで来て

いってらっしゃいのチューをして

見送ってから

正反対の方向にある自分の駐車場に向かう。



帰宅したらまた

家事をしている私の後ろでもじもじしながら

ただいまのチューをしてもらうのを待っている。



チューなど秒で済むことだけれど

お料理してると

いちいち手を止めるのがめんどくさい。


チュー顔でじーっと見つめてる仔犬おじさんを放置するのがなんとも可哀想だからしてる感じ。




お義父さんが入院して

お義母さんは今一人ぼっち。



寂しいだろうし

夜も不安だろうから

しばらく実家に泊まってあげたら?

(そしたら私も楽だし)と染五郎さんに言ったら


「やだよ〜。岡目ちゃんと一緒に寝られないと寂しくて夜泣きしちゃうよ!」

と。


それは仕方ない。


50近い息子に

夜な夜なシクシク泣かれたら

お義母さんも不気味でしょうし。


染五郎はウチで面倒みましょう。




そんな染五郎さんと結婚して

私はこういう人の方が合うのかも

と気付いた。



頑固で気難しい私。


黙って俺の言うことを聞けタイプの

元旦那や元彼たちとは

道理で合わなかったわけだ。



染五郎さんは

とんちんかんなことばかりするんだけど

一生懸命私の顔色伺ってくれてるから


気づいたら私

女帝のようになっている。


今までと真逆。



これでいいのかわからないけど

我慢していた過去の私よりは楽に生きれてるかも。


自分のことなのに

こんな年になってでも初めて知ることがあるんだなー。



なんやかや

染五郎さんのことカワイイと思ってるから

私は

「仔犬おじさん」

と思ってるけど、


愛犬家の皆様に叱られそうだから

「ぶりっ子おじさん」

に呼んでいる。