全日空、A380購入を正式発表!ハワイ線へ 16年下期よりメキシコ便も 中期計画発表 | 全国鉄道乗りつぶし日記&鉄道、航空ダイヤ・カープニュース

 全日空は29日、2016~20年度の中期経営計画を発表しました。この中では、FSE(ANAブランド)の国際線と貨物事業を約1.4倍に、LCCブランドを現行の約3.1倍にするなど今後の成長戦略を発表しました。

 この中でANAブランドでの国際線事業について、首都圏空港の再拡張をにらみ、羽田での午前中、深夜、成田での夕方に接続の山をつくる首都圏3バンクモデルの構築を進めるほか、現時点で全日空のホワイトスポットを、とりわけ中南米・ASEAN・リゾート路線で進出することを発表しました。

 とりわけ羽田・成田~ホノルル線ではA380型機を新規に3機投入することで、座席あたりのコストを抑えるとともに柔軟なプロダクト展開を行い、全日空の弱い点であるリゾート路線の強化を行います。これにより2020年度末に座席キロベースで151%(2015年度比)に拡大する計画です。

 またLCC事業では100%子会社のバニラエアの事業について記載。日本初のプレジャー路線への進出(ANA未就航路線)、中国大陸便、沖縄発着国際線による訪日需要の獲得拡大、高性能機材の導入の検討などがかかげられており、2020年度末に座席キロベースで318%(2015年度比)に拡大する計画です。

 この他国内線事業では、市場シェアを維持したままMEJ導入等による需給適合を進めるほか、2017年度までに貨物事業の黒字化、ノンエアビジネスの強化等を掲げています。

 中期計画とは別に全日空では2016年度下期中に東京(成田)~メキシコシティ線に1就航することが報道されています。同路線はB787-8型機で1往復/日運航する計画。乗継便より約3時間所要時間が短縮されます。ただ、メキシコシティの空港の標高が高いため、旅客数や貨物の搭載量を制限することも検討している模様です。

(当該プレスリリース 2016~2020年度 ANAグループ中期経営戦略について:ANAホールディングス)
(当該報道 全日空がメキシコ直行便、16年度下期就航 TPPにらむ :日本経済新聞)

いよいよ日本の航空会社もA380型機を導入しますね。とはいえ、A380型機を欧米の大都市路線に投入してしまうと、3つの乗継タイミングをつくる首都圏デュアルハブには矛盾し、集約につながってしまいます。そういう意味でもハワイ線への投入は理に適っているでしょう。ハワイ線は観光客の利用が中心で、日本を夕方以降に出て午前中にハワイに到着し、お昼頃にハワイを出発して夕方までに日本に帰ってくる便ばかりで、複数便飛んでいる場合もその範囲内。とすると、その複数便を大型のA380型機で統一しても利便性はさほど損なわれないでしょう。

 ハワイ線は昔からJALの牙城。ホノルルマラソンのメインスポンサーであり、最も多いときは、3大都市のみならず札幌、仙台、新潟、広島、福岡からもホノルル直行便を運航していた日本航空。日本人のハワイ旅行の大きな流れをつくったといっても過言ではありません。

 全日空のハワイ路線の最盛期は2000年頃。このころは成田からジャンボ機が週4往復、名古屋からジャンボ機がデイリー、関空からB767でデイリー運航されており、これは中型機が成田・羽田から合計でトリプルデイリーの現行より大きな規模でした。A380型機で再び攻勢にでるのでしょう。

 超大型機に話題をさらわれがちですが、
・羽田、成田で3つの接続時間を確保しての首都圏デュアルハブ構築
・バニラエアによる訪日需要の獲得
といった、日本の航空会社があまり取り込めておらず、まだ芽が出たばかりの分野での成長を模索するものです。これからは海外の航空会社がライバルになり、いよいよ、全日空グループの真価が問われてくるのでしょう。

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