本は好きだけど、活字なら何でも良いのではなくて、自分と合う文章、合わない文章、というのがあって、合わないのは、なんだか読んでてしっくりこない、気持ち悪い、という感じがして、不思議に読みたくなくなります。
池波正太郎も、有名だしちょこっと読んでみたけど、わたしはダメでした。
山本一力も、途中からダメになりました。
だから、なかなか、文章も人柄も「これ!」という作家に出会えないから、持っている本を繰り返して読むことも多いです。
ちなみに、好きなのは、
藤澤周平。
宇江佐真理。
石井好子。
林望。
井上靖。
種田山頭火。
中勘助。
宮本常一。
…など。
が、前から気になる作家がいます。
その人は雑誌 BRUTUS の朝ごはん特集号 "Good Morning, Good Breakfast." (2011.6.15 出版) に出てきたのだけど、
片岡義男という人。
その雑誌の中で、
「(前略)朝、起き抜けに欠かさないのは、ココアです。南米ボリビアの農園で作られているココアで、いっさいの調整・添加のされていない、純粋なココアだそうです。たいそう穏やかな、いいココアです。
(中略)
今日(4月16日)は前日の夜に自宅のすぐ近くにある好ましいイタリー料理の店で食べたオリーヴ・オイルとパンの、オリーヴ・オイルの香りが気持ちのなかに残っていましたので、オリーヴ・オイルにアチェト・バルサミコを最適の配合で加え、自宅から歩いて3分のパン屋さんが作る黒パンを厚くトーストし、ちぎってはオリーヴ・オイルとバルサミコをかき混ぜながら食べて、朝食は完了でした。夕方遅くまで小説に集中する日は、このような朝食が最適なのです。
窓から見える満開の桜が風に散っていく風景に、この朝食はよく似合っていました。」
…という文章があり、ちょっと几帳面で律儀な感じが、久しぶりにしっくりきたのでした。
で、ついこないだ、本屋で偶然見つけち、さっそく図書館で借りました。
おもしろいです。食べ物に関する思い出話とか、考えなどを書いたエッセイで、タイトルだけみても、
「彼女と別れて銭湯のあと餃子」
「いきつけの喫茶店について」
「料理本の思想」
「こうして居酒屋は秋になる」
「旅は日曜日に始まる」
「かき氷は食べましたか」
「知らない町を歩きたい」
「真夜中にセロリの茎が」
…と、そそられます。けっこうマニアックな視点で、律儀に真面目な文章で淡々と書いてるのもおもしろい。
久々に、これは買ってもいいなぁ。
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