第13回 続巷説百物語 その1 | ちょい悪爺LEONのブログ

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大阪フィルハーモニー交響楽団のファンで、その演奏会を中心に投稿します。写真撮影は公共交通機関を利用して行ける所を中心に復活しましたが、写真はインスタにpostしています。
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2008/12/30(火)
LEONです。

京極夏彦続巷説百物語の3編を読み終わりました。

野鉄砲
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狐者異(こわい)
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飛縁魔(ひのえんま)
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以上の3編ですが後の2編はWOWWOWでドラマ化されて
DVD収録もされています。
レンタルDVDで両方とも見ました。

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小股潜りの又市:渡部篤郎
山猫廻しのおぎん:小池栄子
考物の百介:吹越満
事触れの治平:大杉漣
など各キャストが好演しています。


さて、
飛縁魔を読んでで気になったところを引用します。

引用
幸せなんてものはね先生、どっかにぽっかり浮んでるものじゃねェや。
今ここにあるもンでやす。ただ、それを幸せと思えるかどうか---ってことでしょうよ。
人は皆夢ン中で生きてるんです。それなら悪い夢ばかり見るこたァねェと---
奴(やつがれ)はそう思う。凡(すべ)て夢なら嘘も嘘と知れるまでは真実
(まこと)なんで。でもね---嘘が真実になって---』
又市は自(おの)が坊主頭を撫でた。
『---徒(あだ)ァ為すこともある』
引用終り



丙午(ひのえうま)に関する記述も面白いので引用します。

引用
丙午の女は---。
男を食い殺す魔性だという。
迷信である。
根も葉もない迷信である。
丙午は---十干十二支を組み合わせた暦で六十年に一度巡ってくる。
十干とは甲乙丙丁戊己庚辛壬気癸十二支とは子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
である。これを組み合わせると六十通りになる、それが順に回って来るというだけのことである。
中略
ただ百介は凡てを否定しているのではない。十干十二支も陰陽五行から出たものである。
そうした占いも強(あなが)ち無根拠という訳ではない。
五行説は天地を木火土金水の五つの元素に分解する。
それぞれに兄(え)弟(と)を当てて更に十干が分けられる。
丙とは火の兄ということである。
同じく五行説には東西南北中央の五つの方位ににも木火土金水を当てる。
十二支もまた方位に当てられるが、午が示す方位は南であり、南は火の方位である。
丙午は五行に照らせば火と火、ということになる。
火気に火気が重なる丙午の年は火災が多い---といわれる所以である。
引用終り

さらに飛縁魔についての記述が面白い。
引用
『・・・そういう人を惑わして障(さわ)りをなす悪女はな、ありゃ波旬や、天魔や
せやからな、そういうンを飛ぶ縁の魔と書いて飛縁魔(ひのえんま)いいまんねん。
丙も午も関係ないのんや。五行やのうて、仏さんの教えの方なんや』
『ひのえんま---ですか』
百介は身を乗り出し、帳面を開く。
『せやな。飛縁魔ですわ。飛んでくる魔縁という意味ですわ。つまり仏法に忤(さから)い
悟りを妨げる悪しきもの、悪魔でんな』



やはり巷説百物語でも作者京極夏彦の博学ぶりが如何なく発揮されているのです。