2008/11/14(金)
LEONです。
LEONです。
京極夏彦の京極堂シリーズ2巡目を読んでいます。
第2作魍魎の匣分冊文庫版の中を読み終わりました。
第2作魍魎の匣分冊文庫版の中を読み終わりました。
ハコに関する記述第2弾です。
1)まずは美馬坂近代医学研究所に関して
引用します。
『これはもう怪談話みたいになってるんです。墓場から何とかと云うお化けを
捕まえて来て、人の死骸を喰わせてるんだとか』
『死骸?』
『けだものに限らず、あの研究所---地元の人は箱と呼んでましたがね。
その箱に入った怪我人は、二度と戻らない。そう云う評判です。殺されて、
お化けの餌です』
加菜子も喰われたと云うのだろうか?
捕まえて来て、人の死骸を喰わせてるんだとか』
『死骸?』
『けだものに限らず、あの研究所---地元の人は箱と呼んでましたがね。
その箱に入った怪我人は、二度と戻らない。そう云う評判です。殺されて、
お化けの餌です』
加菜子も喰われたと云うのだろうか?
引用終り。
2)次に警視庁刑事木場修太郎に関して
引用します。
陽子のためになりたいと云うのぼせて驕った気持ちのお蔭で、自分は事件の
正しい姿を見ていなかったのだろう。沈着冷静な刑事の眼を取り戻せ。
木場という箱の存在価値はそこにこそあるのだ。
---そう。
正しい姿を見ていなかったのだろう。沈着冷静な刑事の眼を取り戻せ。
木場という箱の存在価値はそこにこそあるのだ。
---そう。
九月二十四日---。
そして木場修太郎は漸く復活した。
そして木場修太郎は漸く復活した。
考えを纏めたり、事実関係を整理したり、そう云った無駄なことは一切止める。そんな
ことが刑事にとって何の役にも立たぬことを木場は誰より善く知っている。証拠は必ず
落ちている。考えるより歩け。視て聴いて嗅いで、体で知るのだ。
木場には考えることと思うことの区別が善く判らぬ。頭を使えば主観的になる。体で
知れば客観的になる。木場の基準は精精そんなところだ。
だから先ず自分の頑強な肉体を確認する。
太い腕、厚い胸板。これでいい。
---中身などどうでもいい。
木場は箱の頑丈さを確認する。
ことが刑事にとって何の役にも立たぬことを木場は誰より善く知っている。証拠は必ず
落ちている。考えるより歩け。視て聴いて嗅いで、体で知るのだ。
木場には考えることと思うことの区別が善く判らぬ。頭を使えば主観的になる。体で
知れば客観的になる。木場の基準は精精そんなところだ。
だから先ず自分の頑強な肉体を確認する。
太い腕、厚い胸板。これでいい。
---中身などどうでもいい。
木場は箱の頑丈さを確認する。
今はただ、頑丈な箱となることが先決だ。中身が空だろうと、中身が詰まっていようと、
箱は箱としてしか存在価値がないのだ。
箱は箱としてしか存在価値がないのだ。
3)御筥様の筥に入った壷、その中の紙に書かれた魍魎とは・・・。
引用します。
『魍魎がそうだと云うのか?』
『そうなんだ。だから厄介なんだ。僕はこの手の妖怪は苦手だよ』
京極堂はそう云って顎を掻いた。
『君でも苦手な妖怪がいるのか』
『例えば江戸期には【本朝三奇】として東国の鎌鼬、西国の河伯と並んで、北国の
魍魎が挙げられている。つまり当時の日本でもポピュラーな妖怪のひとつに数え
られている訳だね。河伯は河童のことだし、鎌鼬も知っているだろう。しかし魍魎
となると些か知名度が低い。
中略
言葉が先行していて形がない。これはさっきも云ったが出生地である大陸の方でも
朦朧(ぼんやり)としているのだから已むを得ない』
『旧来瞭然しない訳か?』
『字義がね。問題だ』
『そうなんだ。だから厄介なんだ。僕はこの手の妖怪は苦手だよ』
京極堂はそう云って顎を掻いた。
『君でも苦手な妖怪がいるのか』
『例えば江戸期には【本朝三奇】として東国の鎌鼬、西国の河伯と並んで、北国の
魍魎が挙げられている。つまり当時の日本でもポピュラーな妖怪のひとつに数え
られている訳だね。河伯は河童のことだし、鎌鼬も知っているだろう。しかし魍魎
となると些か知名度が低い。
中略
言葉が先行していて形がない。これはさっきも云ったが出生地である大陸の方でも
朦朧(ぼんやり)としているのだから已むを得ない』
『旧来瞭然しない訳か?』
『字義がね。問題だ』
引用終り。
このあと京極堂は【山海經】【荘子】【淮南子】【左傳】【古事記】【日本紀】【大和本草】
【史記】などを引用し、『魍魎』の解釈を紹介していく。
【史記】などを引用し、『魍魎』の解釈を紹介していく。
引用します。
『---前略---
【和漢三才圖會】もこれを採用した。ここで姿が描かれる。この記述の通りを絵にすると、
まるで兎のお化けだね。けだものだ。魍魎はつまり本当は何だか判らない。判らないのに、
いつの間にかけだものになってしまったんだ』
まるで兎のお化けだね。けだものだ。魍魎はつまり本当は何だか判らない。判らないのに、
いつの間にかけだものになってしまったんだ』
『けだもの?』
和漢三才圖會


『これが結局与えられた魍魎の唯一具体的な姿だ』
京極堂は【百鬼夜行】を座卓の上に開いて、私たちに示した。
『魍魎』が出ていた。
京極堂は【百鬼夜行】を座卓の上に開いて、私たちに示した。
『魍魎』が出ていた。
引用終り。
今昔画図続百鬼=画図百鬼夜行の続編


さて、京極堂こと中禅寺秋彦の戦時中の消息を自ら語るくだりです。
会話のみ引用します。
『---僕はね、美馬坂幸四郎と旧知の間柄なんだ』
『美馬坂?あの箱館の主ですか?』
『---僕が彼と知り合ったのは戦時中だ』
『ほほう。怪我でも治して貰ったか?』
『いいや。一緒に働いたんだ。あの箱館でね』
『何だって!』
『君は何をしていた?』
『ぼくはね、宗教的洗脳実験をやらされた』
『何だ、それは?』
『---
楽しい仕事じゃあなかった』
『--- 一方美馬坂は何をしていたかと云うとね。里村君の云った
通り、死なない研究をしていたんだ』
『真面目にか?』
『真面目にだ』
『美馬坂?あの箱館の主ですか?』
『---僕が彼と知り合ったのは戦時中だ』
『ほほう。怪我でも治して貰ったか?』
『いいや。一緒に働いたんだ。あの箱館でね』
『何だって!』
『君は何をしていた?』
『ぼくはね、宗教的洗脳実験をやらされた』
『何だ、それは?』
『---
楽しい仕事じゃあなかった』
『--- 一方美馬坂は何をしていたかと云うとね。里村君の云った
通り、死なない研究をしていたんだ』
『真面目にか?』
『真面目にだ』
物語は急激に展開していきます。