アマチュアの吹奏楽とオーケストラで長年トランペットをやっていたが、事情によりホルンに転向して10年になる。当時いろいろと試奏するなどして熟慮の結果購入したのがWenzel Meinlの105GLTである。この10年でもネットではこちらのパイパースの記事以外ではほとんどと言っていいほどこのメーカー及び機種についての情報が出回っていないので、今回紹介することにした。
まず、この楽器の前には、ベルがデタッチャブルではないヤマハの567の中古品をヤフオクで購入した。2年ほど使ったがもっといい楽器が欲しくなった。持ち運びの都合上ベルが外れるものの方が良かろうと考え、再びヤフオクでヤマハの868GDという比較的高級なモデルを買った。しかし、クルスペ巻きのためか今一吹きこなせずにいた。やはり買う時はネットではなく実店舗で試奏しなければと考え直した。
管楽器のメッカ、新大久保のいくつかの楽器店に足繁く通った。オケ奏者の定番であるアレキの103MBLも吹いてみたが、自分にはあまり良さは分からなかった。他にはヤマハの567GDBや87Dを吹き比べたが、中でも567GDBはまあまあ気に入った。これを最有力候補にしたが他にもいろいろと機種があり、決めかねていた。
そんな時に別の店で、今まで見たことがない全身金ピカのホルンに目を奪われた。Wenzel Meinlの105GLTとの衝撃的な出会いである。新品だが塗装ムラ(言われないとわからないほど)があるということで、当時で定価が65万円のところ特価の40万円で売られていた。吹いてみるととても吹きやすく、音色も艶やかで音程も非常にいい感じ。何といっても金ピカのところに一目惚れしてしまった。
ロータリーのレバーやキャップなど、ところどころに本物の金メッキが施され、他の部分はゴールドラッカー。ゴールドラッカーは金管ではあまり見かけないが、サックスになどによく使われる仕上げのようだ。
いろいろなサイトの情報によると、楽器やマウスピースを選ぶ時には、楽器が非常に高価であっても万人受けするかどうかは別で人それぞれに最適な楽器は違うという。また、奏者の心理的な要因も大きいという。つまり、金ピカであることに惚れ込んで気持ちよく吹くのを楽しむのも悪い選択ではないということだ。せっかくなので、マウスピースも特注で金メッキにした。