旅の写真と、つづきその3 | CompTALK ver.6

旅の写真と、つづきその3

昨年11月、シンガポール滞在中にヒンデゥー系のお祭りがあった。

もはや気分は『深夜特急』の沢木耕太郎だ。

お祝い用の飾りが所狭しと売られているマーケットには、信仰への確固たる思いが溢れていた。

大好きなガネーシャの仏像もたくさんあった。

この人は一体誰で、なんの目的でこんな感じなのか全くわからなかったが、ツーリストたちの注目の的だった。

 

こうして、写真に収めてしばらく経ってから見返すとその時には気がつかなかた感覚が蘇る。そして写真を撮ってきてよかったと思う。人はすぐに忘れてしまう生き物だから。

 

もしもあの頃、ちゃんと写真を撮っていたらと、

今思うと後悔しかない。

 

 

その3<Sugar Water>

 

 高校を卒業して就職もせずにバンド活動に明け暮れていたある日、楽器屋の掲示板で見つけてきたオーディションに出演することになって、仲間と訪れたのが桜丘の坂道を上がった先にあった「渋谷エピキュラス」というライブハウスだった。

 

 そのライブハウスはヤマハ系のレコーディングスタジオも兼ねたライブハウスで、音響はもとより、照明などの設備もしっかりしているライブハウスだった。

 

 何組かのソロアーティストやバンドが出演する中、僕らも演奏した。どんな曲を演奏し、どんな評価だったかは全く覚えていないが、その帰りに立ち寄ったのが「世界のビールが飲める店」と手書きで看板に書いてあった『Sugar Water』だった。

 

 エピキュラスから徒歩30秒ほどの場所にある、隠れ家のような佇まいの扉をそっと開けて中に入ると、中はまるで「おもちゃ箱」のようだった。店の奥からは「菅原麦酒」というビールのラベルをオマージュしたTシャツを着て首にバンダナを巻いたマスターが笑顔で迎えてくれた。そこで僕ら4人は、マスターの勧めでそれぞれ違う国のビールをオーダーし、飲み比べることにした。たしか、つまみは出来たて熱々のポップコーンだったと思う。これもマスターのおすすめだった。

 

下記のURLにSugarWatarファンが作ったフェイスブックページがあるので是非ご覧になってください。

https://www.facebook.com/pg/sugarwater428/posts/

 

 世界中のビールと世界中のコースターと、そしていろんなアート作品があった。そこにはいろいろなものが混ざり合って出来た「自由」があふれていた。僕らはそこで音楽と夢を語りながらいろんな国の違う味のビールを飲んだ。記念にもらったコースターや空瓶は未だに持っている。その後、二度ほど仲間と渋谷に来た時に訪れたが、当時は千葉に住んでいることもあって次第に疎遠になってしまった。

 

 それから『Sugar Water』に再訪したのは12年ほど過ぎ、僕が東京で生活するようになってしばらくたってからだった。

 

その4へつづく