中川進という男 | CompTALK ver.6

中川進という男

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photo by Yayoi Nakajima

彼と出会ったのはかれこれ
20年ほど前になる。

僕がまだ、
ビクターエンタテインメントの
所属アーティストで、
ライブツアーの
サポートメンバーを探してる時に
紹介してもらった。

自分のマネージャーと共に
渋谷のカフェで彼とあったときの
第一印象はあまり良くなくて
やる気が無さそうな感じに見えた。

その日は大した会話もなく
僕の音源や資料を渡して
その場はお開きになった。

翌日、彼から事務所に
「是非やらせて下さい。」
という連絡があり
すこし驚いた感もあったのだが
なぜか、嬉しかったのを
良く覚えている。

世間的に、
ミュージシャンという人種は
素行が悪いイメージがあるかとおもうが、
(どこまでを素行と呼ぶのかは疑問)
たとえば、
時間にルーズだったりとか、

いままで出会って来た
(世話になったというべきか?)
先輩ミュージシャンたちは
ほとんどリハの時間に来た
ためしがなかったのだ。

そんなのが当たり前と
僕も思っていて慣れてはいたけど
とはいえ、
僕自身が遅れていくことは
ほとんどなかった。

僕のライブツアーの日程も決まり
いよいよリハーサルの初日、

あれは確か、代々木の
リハーサルスタジオで
マネージャーと共に開始の10分ほど前に
スタジオに着いてブースに入ると
彼はもうセッティングも済んで
譜面も自分用に全て書き換えていて
待っていたのだ。

そんな男が
中川 進。

当然そんな姿を見て
僕がリスペクトしないはずもなく
リハを重ねるたびに
彼のギターに安心感と
喜びを感じていたのはいうまでもない。

そんな、
僕のレコードメーカー所属時代の
激動時を共に過ごし、
戦友とも言える人物。

僕がしばらく音楽と離れた時も
自身もシンガーソングライターである
中川氏がギターを弾きながら歌う姿に
何度も救われた。

そして、昨夜もそうだった。

ミュージシャンとして
いろいろな生き方があるけれど、

仕事=音楽ということだけが
ミュージシャンではなく

音楽=生き様
で、あったりする。

そして、昨夜の場所には
他にも救われた人がいた。

♪君に伝わればいい
響き合えればいい♪

そう歌う彼の声に
自分の声を重ねる喜びこそ
響き合えること。

まさにそうなんだ。