自分は、ある職員に、「自分の若い時はこうだった」と、
その職員に頑張って欲しくて語ったことがありました。
そのとき職員に、「それは昔の話で、いまは通用しませんよ」と言い返されました。
それ以来、自分はあまり20歳代前半の話をしなくなったのです。
歯科技工士として働いていた頃の話です。
最近、特にその頃のことを思い出されます。
たくさんの問題を抱え、超えていかないといけないときの支えとなっているからです。
毎日が睡眠時間3~4時間程度で、それ以外は仕事をしているか、食事をしているか、
排泄をしているか・・・(笑)でした。
ラジオは聞くけれども、テレビを見ることも遊びに行くこともしませんでした。
なんと!この期間はお酒を一切飲んでいませんよ。
朝から仕事が始まり、終わりは常に24時を超えるのは当然で、休みもほとんどありません。
もちろん低賃金で・・・・
そんな生活を6年間続けていたのです。
先輩たちからは技術を盗もうとしましたが、生き方まで真似ようとは思えず、
歯を作り出すことのみが、生きがいのような時代です。
就職して一番最初に作った技工物を患者に装着するとき、先生から呼ばれました。
自分は怒られるものとばかり思い、ビクビクしながら先生の横に立ちました。
先生が患者に自分が社会に出て一番はじめに作成した技工物を装着したのです。
患者が先生の問いかけに、笑顔でOKを出しました。患者は30代の男性でした。
心がふるえるとは、このときのことを言うのでしょう。
決して忘れることが出来ない、自分の原点です。
患者のために生きる。
そう、心に刻んだ出発のときでした。
特に医療や介護現場で働く方々は、「奉仕の精神」が高いと自分は思っています。
何事も「為に生きる」という共通した思いがあるのではないでしょうか。
だから、いまここにいるのだと自分は信じています。
自分は6年間ガムシャラに働き、気付いたら肝臓がオーバーヒート・・・・(涙)
ドクターストップで生きる道を変えざるを得ませんでした。
いまは、自分がお世話になっている職場のため、そこに携わる職員のため、
もちろん患者や介護施設を利用してくれる利用者のため、その背後にいる多くの方々のため、
全力で生きて行きたいと思っています。
そのために何をすべきか。
厳しいことを言うときもありますが、心はいつも「あの時」のままなのですよ。
自宅の机には、気持ちを忘れないように、苦しくてもブレないように。
あるものが飾ってあります。
何十年経っても、輝きは変わりません。
