息子が旅立ってから、5ヶ月目

弔問客は既に知りあいの範囲では落ちついたところでしたが、やっと待ちに待った息子の親友が会いに来てくれました。

亡くなった直後も、真っ先に知らせた相手でしたが、どうしても仕事の都合がつかず、このタイミングになりました。

おそらくこれで弔問客は最後、大トリには相応しい、息子とバレー部で青春時代を共に過ごして来た息子にとってはなくてはならないかけがえのない存在です。


私達も高校生の彼と会ったのが最後で実に7年ぶりの再会でした。万年坊主頭だった田舎っぺが、スーツの似合う爽やかな青年になってました。

進む道は違ってましたが勤務地が息子と同じ東京だったので、社会人になってからも頻繁に会い、息子が鬱を患ってからもずっと気にかけてくれて、好きなバレーに誘い出してくれてた事など沢山話してくれました。


私は彼に会えたら必ずやってほしいお願いを、ずっと前から決めてました。

帰る間際に

「あのね、お願いがあるんだけど・・」

「いいですよ♪どうしましたか?」

「最後に、ちょっと抱きしめてもらっていいかな?」

「はい!もちろん」


私は、息子とバレーを通して、中学から1番長く1番近くにいてくれた彼の身体を借してもらって、息子を感じたかったのです。

背格好もほぼ同じ。

私の頬をあてて、ちょうど胸の上あたり。

そういえば、大人になった息子と抱き合った事がなかったなあ・・まあ当たり前なんだけど・・

彼の長い腕が、しっかり私を包み込んでくれました。

私もあの日、最後まで結局遺体を抱きしめてやる事が出来なかったので、彼を息子だと思ってしっかり抱きながら、涙が止まりませんでした。


「帰省したら、また来ます」と言ってくれて、彼はまた東京に帰って行きました。


遠くでも会いに来てくれてホントに嬉しかった。

そしてほんとに感謝している。


でも同時に再び、私は苦しくてたまらなくなって、暫く泣き続けてしまった。

みんなには、まだこれから夢や希望に満ちた未来があるのに、息子にはもう未来なんて来ない。


みんなと同じように生きて来ただけなのに・・

なんら悪い事なんてしてないのに・・

悪い事どころか、いい事しかしてないのに・・

みんなに慕われて愛されて、みんなを大切にしてきたのに・・なんで死ななきゃいけないの?

なんで、なんで、

苦しいよ・・会いたいよ・・


また暫く、心がどん底に沈んでます。

弱くてごめんね、息子よ・・


お彼岸ですね。

仏花は寂しくなるので飾りません。