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弱酸性

東京・大阪を拠点に活動する若輩者5人による,趣味の記録です。

音楽・映画・本・お食事など,各人が気に入ったものを好き勝手に紹介していきます。お暇つぶしに是非どうぞ。

最近当ブログの更新頻度が劇的に上がってきて喜ばしい限りです!

半匿名性が,自分の価値観の告白を行うことのハードルを下げるんでしょうかね。

 

というわけで,流行りの本を紹介するのもまた楽しいんですが,自分の価値観を変えたような本も紹介しちゃいます,これです。

 

 

別にアフェリエイト目的ではないので,青空文庫版もあることを紹介しておきます。笑

堕落論 堕落論
 
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高校生という比較的多感な時期,人にやさしくしたいけど,自分が安全な場所を確保しないと,それができないような,自分の中の本質的なエゴイズムに嫌気がさしていながらも,かといって夏目漱石が「こころ」で示したように,それを克服しようと立ち向かったわけでもなく,そのつもりもなく(「こころ」は何度読んでも新しい気付きがあります)。

 

そんなときに,「ああ,こういうことなんだな」と妙に納得したのが,坂口安吾の堕落論でした。

 

こころ こころ
 
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きれいに構築した論理とか規範とかそういうものは結局,人間の本質である「堕落」を克服することはできず,時の経過には勝てない。けれども,とことん「堕落」し続けるほどに人間は強くなく,わかっていながら結局,美しい「規範」を求めてしまう,的な主張ですね。

 

坂口安吾の思想の1つの到達点などと評される本作ですが,ある種の「無常観」を冷静に見つめながら,エゴイズムとの葛藤に「性悪説」と「性善説」を同時に見出し,そして一見それを克服するようなエソラの「規範」を構築せずにはいられない人間の弱さ(それを強さと偽ること)に「諦念」的な思想を観て,すべてがここで繋がるんだなあ,と,今書いていても何やらよくわからないのですが,すべてが「繋がった」感覚がありました。

 

今でも自分の基本的な価値観を構成している作品です。

結局いくつになっても自分の中の「堕落」を克服できていないように思いますが,これはしょうがないんでしょうかね。

もうちょっと丁寧に書けばいいんだろうけど,まあいいです。

 

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