僕はアラサーですが,小学校3年生のころから野球を初めて以来,これが大好きです。
貴重な青春を野球に捧げ,それでも「負けたら終わり」の一発勝負にかける刹那的な高校野球を観るのももちろん好きなのですが,その「深さ」でいったら,プロ野球にかなうものではないのかもしれません。プロ野球と高校野球は,そもそも同じスポーツをやっているだけで,比較対象とすべきではないものでもありますが。
プロ野球のどこに「深さ」を感じるのか,それは,プレイヤーの人生のストーリーをなぞることができる点です。そしてそれは,それの観戦者である自分の人生ともときにオーバーラップしたりして。
たとえば,野球を始めたばかりの頃は,才能がずば抜けていて,かつ,それでも向上心がとどまることを知らないような「傲慢」なプレイヤーに大きな魅力を感じ,憧れていました。
若かりし頃の福留孝介選手が入団後しばらくは伸び悩んだ後,「誠意は言葉ではなく金額」とまで豪語するほどに結果を残したこととか,「ヒットはいつでも打てる」と豪語し,メジャーリーグ球団をも巻き込んで球界をそのワガママで騒がせた若かりし頃の中村紀洋選手とかが眩しく映っていました。周囲の評価は気にせず,自分のプライドのために野球に向き合う形がかっこよかったですね。
それが,年を経るにつれてそんな彼らも挫折を経験したり,怪我などによって結果を残せなかったりして,一時は衰えるわけで。それでもひたむきさと「精神的な傲慢さ」を持ち続け,泥水をすすりながらも復活する,そんな状況に深い感動を覚えるわけです。
で,かつての日本球界きっての大スター選手であった,松坂大輔が僕の応援する中日ドラゴンズに入団するかもしれない,というニュースがありますね。
松坂に対しても,あれだけの輝かしい球歴を残しながら,西武ライオンズへの入団会見で「リベンジ」が座右の銘であると会見したことに当時の僕は衝撃を受けていました。いや,どこにリベンジするのよ,,,って,その理想の高さに。それであふれる才能で若かりし頃は大活躍したのは周知のとおりです。
そんな彼も,メジャーリーグ移籍後は怪我が癒えず思うような結果が残せず,ソフトバンクではほとんど登板することのないまま,「給料泥棒」の烙印を押されることとなりました。
そんな状況であっても,コーチの誘いを蹴ってまで,現役にしがみつこうとするなりふり構わなさは相当な覚悟があってのものなのでしょう。
デニー氏の取り計らいがあったとか,若返りに逆行している,とか賛否両論ですし,実際に怪我明けの今,活躍できる云々は定かではありません。ただ,それは別として,松坂投手の「執着」と「非合理性」に,人間的な魅力を感じてやみませんし,彼の器が試される,ものすごくチャレンジングな状況であることに興奮を覚えます。
と,野球談義でしたが,これに関連して思い出した小説があります。
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たしか中学生のころ読んだと思いますが,この話に出てくる主人公の名前が「大輔」なんですよね。
その由来が,そもそもは甲子園のスターとしてアイドル的人気をほこっていた荒木大輔投手からとった名前だったと思うんですが,青年期を迎えた時,思うように結果が残せなかったにも関わらず,ひたむきに野球に向き合う荒木投手の姿勢に主人公が勇気づけられている,という話であったような気がします。
たしか松坂の名前の由来も荒木大輔投手でしたね。時を経て,全盛期を過ぎた松坂投手はどのような感動を我々に届けてくれるのでしょうか。是非とも復活してほしいものです。
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