iPS細胞
昨今話題のiPS細胞、興味深いです。人間は1個の受精卵が分裂を繰り返した60兆個の多様な細胞から構成されています。もとは同じひとつの細胞なのに、血液、神経、筋肉等と機能別に分かれていきます。
一度、その機能に特化した細胞になると、他の種類の細胞にはなりません。血液が皮膚になることはないし、その逆もありません。
細胞の中の設計図であるDNAは、該当する箇所以外はカバーされているからです。神経細胞であれば、DNAの神経に関する部分以外は覆われ、他の細胞になりたくても設計図が使えない状態になっているのです。iPS細胞は、このカバーを取り除く処理をした細胞で、どんな種類の細胞にでもなることができます。
髪の毛や皮膚、血液から細胞を採取し、iPS細胞をつくれば、理論的には精子でも卵子でもつくれるのです。キムタクやヨン様の髪の毛を入手すれば、それからiPS細胞をつくり、精子にして、自分の卵子に受精させて子供をつくることができます。男のiPS細胞を卵子にすれば、ゲイカップルが、血のつながった子供を持つことも可能になります。
社会に与える影響が大きいので、研究や実用化には慎重を期する必要があります。
自分のクローンを臓器移植用に育てておくという「アイランド」という映画がありましたが、SFではなくなってきています。難病にかかり、臓器移植を待つしかない患者にとっては、自分の細胞から必要な臓器をつくる技術の早期実現を望むところだと思います。が、こうした研究、実用化は法整備とあわせて進めないとなりません。
また、iPS細胞をつくるための4つのファクターのひとつが、癌を引き起こすかもしれないと言われており、そうした副作用もよく研究する必要があります。
自然の摂理と異なることをするのは、大概おおきな代償を払うことになります。
でも今世紀最大の医学の大きなテーマであることには違いなく、今後の研究動向から目が離せません。
