ヒトラーは次の領土的野心を生まれ故郷に
向けました。オーストリアはヒトラーにとって
青年時代を過ごした思い出深い場所です。
故郷、オーストリア=ハンガリー帝国は、
ドイツの敗戦とともに滅び、解体しました。
このドイツ系民族を中心としたかつての
帝国を併合することは、ドイツ民族の復興
を掲げるヒトラーの悲願だったのです。
そのオーストリア併合の夢は、ナチスの
バイブルとも呼ばれる「わが闘争」の冒頭
に語られています。
「私はオーストリアのイン川に面した町、ブラウナウがまさしく
私の誕生の地となった運命を幸福な定めだと考えている。
私にはこの小さな国境の町が大きな使命のシンボルのように思える。
というのは、この小さな町は二つのドイツ人国家の境に位置しており、
少なくともこの両国家の再合併こそ、我々青年がいかなる手段を
もってしても実現しなければならない終生の事業と考えられたからだ。
同一の血を持つ民族は共通の国家に属するのである。
ドイツ、オーストリアは母国大ドイツに復帰しなければならない。」