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期間限定ランキングイベント☆白金総司とナイトサファリ




                





「今夜は土曜でちょうどいいだろう?」
「明日ゆっくり休めばいい」



そうと決まれば早かった
ナイトサファリの開園が18時、今の時刻は15時を回ったところだ


「17時に出れば間に合うだろう」
「それまでに、行く準備をしよう」



目を輝かせている間に、次々と決まっていく
ソファから立ち上がった総司さんは、私へ手を差し出した


「え?」


首を傾げながらも、その手に手を重ねた途端……


「…きゃっ!」


グッと引き上げられた
その勢いでソファから立ち上がると、バランスを崩した


「おっと…」

「ご、ごめんなさい…」


総司さんの胸元へ寄りかかってしまった
頭上から、クスッと笑みを漏らす声が聞こえる


「マリアが謝る必要はない」


クスクスと笑う総司さんの声
今日はとても機嫌がよさそうだった



×  ×  ×  ×



午後の家事もすべて終え、出掛ける準備を始める


「えーっと…」


寝室のクローゼットを漁り、お気に入りの衣服を数点、ベッドの上へ並べた


「白い服は避けた方がいいな」
「ああそれと、ファーもな…」


「総司さん!?」


総司さんが悩む私の隣に立ち、ベッド上に散乱する衣服を見やる


「…どうした、決まらないのか?」

「…はい、ちょっと迷ってしまって……」

「そうなのか?」
「ちなみに、どれとどれで迷ってるんだ?」


困ったように笑う私に、総司さんは優しく言葉をつづけた
ずっと迷っていたワンピースを手にとり、チュニックと一緒に掲げて見せた


「この二つです」

「こっちだ」


総司さんは迷うことなく、ワンピースを指さした


「そのワンピースは、マリアによく似合っていたからな」


ストレートに褒められて、それ以外を選ぶなんてできなかった
少し短めの丈を心配し、黒のタイツを履く


「…なんだ、足は出さないのか…」


準備を整えた私を見て、総司さんが呟いた
その言葉に、思わず小さく吹き出してしまう


「ふふっ」


とても硬そうに見える総司さんも、男の人だと改めて実感した出来事だった




×  ×  ×  ×




「お帰りはどうされますか?」

「こちらから電話をする」

「かしこまりました」




香坂さんの運転で、目的地であるサファリパークへ向かう



「す、すみません…せっかくのお休みなのに送迎をしていただいて……」



運転をする香坂さんに、後部座席から静かにお礼を告げた



「お気になさらずに」



バックミラー越しに、香坂さんが瞳を細め微笑んだ




ほどなくして着いた目的地
郊外にあるものの、高速道路を使うことで早く着いたように思う


「それでは、お気をつけて」

「ああ、行ってくる」



車を降り、香坂さんへ頭を下げた



「ありがとうございました!」

「…はい、楽しんできてくださいね」

「はい!」




ふわりと優しい表情を見せた香坂さんに、自然と頬が緩むのを感じた



「…行くぞ」


一歩前に立っていた総司さんが、私へと手を差し出した
迷うことなくその手を握りしめ、笑みを浮かべる


「はい」


手を繋ぎ、サファリパークへと向かう

その時、背後でクスリと笑う声が聞こえた気がした



「今、笑い声が聞こえませんでしたか?」

「…気のせいだろう」


総司さんに問いかけると、繋いだ手にギュッと力が込められた


(…私の気のせいかな…?)




そのまま、チケットを手に受付へ―――


そこにはスーツを着た男性が立っていた
その男は総司さんを見るや否や、大げさなほど頭を下げていた



「…め、目立つね…」

「はあ…、じいさんの部下だろうな」


案内をしてくれるのは大変ありがたい
だけど、とても目立つのだ

痺れを切らした総司さんが、男性に声をかけた


「専用バスまで、二人で大丈夫です」
「わざわざご足労いただき誠にありがとうございました」


「は、はい…! そ、それではっ、私はこれで…!」
「失礼いたします、白金様!」




大げさなほど声を上げ、男性は頭を90度に下げた
ザワつく周囲を気にもせず、颯爽と戻っていった



「…じいさんめ……」


頭を抱えて大きなため息を吐く総司さんに、苦笑しながらも手を握り直した


「マリア……」

「行きましょう、総司さん! 楽しまなきゃ損ですよ?」




周りの視線を気にしないふりをして、総司さんに笑みを見せた



「……そうだな、行こうかマリア」

「はいっ」







③NEにつづく…





「イケない契約結婚」
(C)Arithmetic






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…………

…………


この、かみ合ってない会話に……

「とても硬そうに見える総司さんも、男の人だと改めて実感した出来事だった」

…って……なに?

これをヒロインが思うってどういうわけ?

総司さんは……
私の知ってる総司さんは…こんなんじゃないし……


あ~言いたいことは山ほどあるけど…
言い出したら止まらなくなっちゃいそうwww


こんなの、総司さんじゃな~~い\(*`∧´)/