【妄想ガール】
眠らぬ街のシンデレラ~廣瀬遼一&…~





妖かしの夜・完



遼一side…




「マリア」
「……マリア」
「……おい、マリア……!」



何度名前を呼んでも、返事はなく……
オレは振り返り様子をうかがった

すると、マリアは真っ青な顔をして微かに震えていた


オレはすぐにベッドに横にさせようと、マリアの身体をそっと抱き寄せ、
顔の前にかかった髪の毛を梳くように耳にかけた




その時――――



(!?)
(こ、これは………!?)


オレは一瞬 目を疑った

マリアの白いうなじに、赤く色づいた箇所が………

まるで髪の毛で見えないところに、隠すようにつけられた、
白い肌に浮き立つ赤く艶めく妖しい色……



(……キスマーク……?)
(ウソだろ…?)

(マリア、何があった?)



オレは目の当たりにしたありえない印に、動揺を隠せず……
問い詰めようと、アイツの肩を力任せに掴もうとした

けれど………

オレはすぐに、その手の拳を握りしめた


マリアは、今にも消えてしまいそうなほどに顔が蒼白し、
身体の震えを必死に堪えていた

その姿が、オレにそうさせたのだった



(……どうした? いったい、何があった……?)



そう聞きたい言葉をオレは必死に抑え、


「……大丈夫か?」
「真っ青だぞ…?」


「う、ううん…な、なんでも、ない……」



か細く消え入りそうな声が、オレの耳をかすめる
マリアは俯いたまま………決してオレの顔を見ようとはしない



(……なんでもなくないでしょうが………)



そんなアイツの様を見た途端、
ここまで出かかったアイツを問い詰めようという強い気持ちは失せていた

それほどまでにアイツの華奢な身体は、より小さく霞んで見えていたから……



そしてオレは、そんなアイツの身体を支えながら、ゆっくりとベッド寝かせた




(……今は、何も聞かない方がいい)

(こんな状態のコイツに問いただしても……)
(埒があかない……)
(きっと、追い込むことになる……)
(まずは、休ませないと………)



オレは、ゆっくりと気づかれないように息を吐き出しながら、
できる限りの平静を保つことに精一杯だった



(くそっ!! これは、夢か…?)

(……いや、だったらあの……赤い印は?)

(誰がアイツを……?)

(ダメだ……今は何も考えられない………)

(オレも少し冷静にならなければ………)
(冷静に………)




オレは目を閉じたマリアの頭を何事もなかったかのように優しくポンと撫でると、
「……すぐ戻る」と告げ、アイツに背を向けた



背後で、マリアがオレに向かい手を伸ばした……
そんな気配を確かに感じていた


けれど………オレは……


その伸ばされた手に気づかないフリをして、
扉へと向かい、足を進めることしかできなかった…・………








~妖かしの夜 Fin~










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~エピローグ~





扉を出たオレは、大きな窓から差し込む朝を告げる光に目が眩んだ



(もう、すっかり朝かよ…・・)



(……ん? なんだ?)



ふと、足元に転がる妖しく光る小瓶を拾い上げた



「これは………」


それは、六角形のガラス製の香水瓶のようなものだった
上品な彫り物がしてある、素人目から見ても上質で、量産されているものでないことがわかる精巧な作りをしていた


(マリアが落としたのか……?)

(いや、これは………)



『……・アルコールの匂いがきついので、女性の方にはこちらのシロップを……』



「あの時の………」



バーカウンターでの光景が思い浮かんできた


(確か、皐月さんオリジナルカクテルを勧められて……)
(……あの時の小瓶に似ている……?)
(でも、なぜここに………?)



オレは小瓶の蓋を開け、中の液体を指にたらし舌先で舐めてみた



(……甘くは…ない……)
(あの時のシロップじゃないのか……?)

(それじゃあ、これは……?)




オレは答えを見いだせないままその小瓶を握りしめ、
シャワーへと向かった



ただその時、オレの脳裏には………


穏やかな笑みの下に隠された黒い微笑みを纏う、
一人の男の顔が浮かんでいた―――








~エピローグ Fin~







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「妖かしの夜」 遼一sideでした~~

遼一Loversのみなさま、ごめんなさ~~い (;^_^A


私…遼一が大好きなんです!
最愛なんですよ、ホントに……f^_^;


本当は、こんなに遼一を苦しめたくはないんです…

遼一は気づかないままでもよかったんです…

だけど…どうしてでしょうかね~
どうしても、っていうか、遼一が気づかないのはおかしいんじゃないかという思いが
沸々とわいてきまして……

だってねえ~あの、遼一がですよ、
ヒロインちゃんの微妙な変化に気づかないわけがないじゃない?ってことで、

やっぱり、遼一は気づいちゃいました……www

あ~私はいったい、何を書きたいんだろ?
遼一をいじめたい?
いや、いや…遼一に愛されたい!!
そうそう、愛されたいんです…

ただそれだけなのに………なんだこれ?って感じですが……


それに……

このエピローグ…って何?って思った方もって、みなさんですよね~(;^_^A

この、サスペンスタッチのドロドロした感じは何?
これって、乙ゲの二次小説じゃなかったっけ?

なんだろ?今の私の精神状態なのかな~?
こんな妄想がっていうか、こんな妄想しか浮かんできませんでした…


この先は…全く持っての未定ですが、
なんか不穏な感じが漂いますよね~~
「続・妖かしの夜」とか…?

遼一VS皐月……?
これってありかな??

ヒロインちゃんの身体が…一度覚えた帝王の味を忘れられなくて……とか?

いやいやいや、昼ドラじゃないんだから……

あ~とにかく、この辺で終わりにしないと……
イケない妄想ばかり浮かんできちゃいますねwww



それでは、本当に本当に、これにて「妖かしの夜」終了です!


最後まで読んで下さり、ありがとうございました~m(_ _ )m




PS……遼一Loversのみなさま、

最近みなさま遼一不足らしく……(早く、最愛の婚約者編、配信して~~)
たくさんのリクをいただいておりまして……
甘々遼一のお話も、絶対書きたいと思ってますのでご安心くださいね!




マリア