noname~36.jpg



期間限定★有馬とスカイトラベル!






               









咄嗟に目を瞑ったけれど、なぜか痛みは襲ってこなかった
代わりに部屋の扉が勢いよく開けられる音が響いた


「マリア!!」


「志信さん!?」


「っ、動くんじゃ……」



男が言葉を言い終える前に、志信さんの拳が入る
吹き飛ばされた男は、そのまま床に転がって気絶した



「マリア、大丈夫か!!」


「志信さん……」



駆け寄ってきた志信さんに抱きあげられる
馴染んだ体温に包まれて、安心して力が抜けてしまった



「志信さん、ごめんなさい…」

「いいから、喋るな」


「でも……」

「これ以上、オレに心配をかけさせるな」




抱きしめる手がかすかに震え、少し強くなるのを感じた



×  ×  ×  ×



志信さんに連れられて自分たちの部屋に戻ると、すぐにドアをノックする音が聞こえた


「誰だ?」

「志信さん、十真です」


十真くんは、ホットココアとコーヒーと軽食を持ってきてくれた

志信さんはコーヒーを一口含むと、十真くんに問いかけた



「そういえば、あのガキどうした?」

「警備に引き渡しましたよ、地上に戻ったら警察行きって感じ…」
「……それにしても、よくやらかしたよな」


「あと何発か殴っておけばよかったな」

(……あの時のこと、話したほうがいいかな…?)

「私が妻になったら困る人に依頼されたって言ってました……」

「なんだと…!?」
「でも逆に納得だな…アイツならやりかねない」

「でも……あの時は必至だったんで……あってる自信がないです」

「…………」



十真くんはまだ仕事が残っているらしく、食器類を持って部屋を後にした

その後しばらく重々しい空気に部屋は包まれていたけれど、沈黙を破ったのは志信さんだった



「……悪かったな」

「え?」


「こんなとこまで入り込めるとすれば、相当な力がないと難しい」
「そうなると、考えられるのは……あの女ぐらいだろうな……」
「まったく、しつこい女(やつ)だ……」

「本当に悪かったな…」

「私は大丈夫ですよ、志信さんはちゃんと助けに来てくれたし……」


「あと少し遅くなっていたら、もっとひどい目にあったかもしれないんだぞ!」

「志信さん……私なら本当に………」



安心させようとほほ笑むと、苛立った声で言葉が掻き消されてしまった



夜明け前の暗がりの空は、志信さんの思いを表すように闇に包まれている
落ち込んでいるその姿に吸い寄せられるように……
私は彼を抱きしめた


「マリア?」

「志信さんのせいじゃないです…」
「私がしっかりしてなかったから……」


「いや、オレが悪いんだ」
「お前がロングアイランド・アイスティーを飲んでるのを見た時から、嫌な予感がしてたんだ」

「あのレモンジュースが入ったカクテルですか?」

「そうだ、あれは見た目は紅茶に似てるが、紅茶を一切使ってないんだ」
「レモンジュースとコーラを入れて、カモフラージュしてるんだ」
「ウォッカベースのカクテルだから、アルコール度数が強くてすぐに酔っちまう…」

「あ、そういえば……飲んだ後、立ち上がったら少しフラつきました」

「クソッ、あの時もっと注意しておけば!」

「志信さんは私が酔ってるのに気が付いて、十真くんにノンアルコールのカクテルを頼んでいってくれて………」
「ちゃんと私のことを考えてくれてたじゃないですか?」


「マリア……」




そんなことないと懸命に想いを伝えると、険しい表情だった志信さんが目を見張った






⑤ENDへつづく……






イケない契約結婚
(C)Arithmetic






゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆





はい、お約束通り、志信さんの登場で~す!

もうね~このパターン……
わかりきってはいるんだけど、やっぱり嬉しい~~!(←単純なやつ)

でも…こんな空の上でっていうか、いくら巨大なプライベートジェットとはいえ…
すぐ見つかるって思わなかったのでしょうかね~?
逃げ場はないはずなのに……


まあ、細かいことはおいといて…


次はいよいよENDになりますが……

せめてENDは、超甘~いのお願いしたいです!!

久しぶりに……志信さんとの甘々を楽しみたいな~( ´艸`)