【妄想ガール】
眠らぬ街のシンデレラ~廣瀬遼一&…~





妖かしの夜⑪




(……んんっ……あっ……)
(はぁ……んっ………)


(私……どうしたの…?)
(ポーカーの途中でめまいがして……それから……)
(皐月さんに部屋に案内されて………)
(そのままベッドに……)



「う…んっ……」


私はぼやける意識の中で、思考を巡らせた
ぼーっとしていて、状況が理解できない
でも……
意識とは別に、身体中が熱いのはなぜ?

私は……

身体が熱を帯び、まるで自分の身体ではない錯覚さえ覚えるほどに
感覚が研ぎ澄まされていた


「あっ……ん……っ」
「はぁ……ん」


身体が大きく震える

と、同時に少しずつ意識が覚醒していく


私は今、体中を這い回る大きな手と濡れた唇、肌を滑るように蠢く舌に……
支配されていた




×  ×  ×  ×





(遼一さん……なの?)



戻りつつある意識の中でいろいろなことが頭を駆け巡る

目を開けるけれど、なぜかぼやけて靄がかかったような視界……

その視界の中にぼんやりと浮かぶ人影……



「りょうい………っ」



名前を呼ぼうとした瞬間、乱暴に唇が塞がれた



「んんっ……」




重なった唇は、全てを奪い尽くすように、全てを飲み込むように……
まるで、言葉を発することを許さないとでもいうように……
深く深く…呼吸をも奪うように絡みつく
角度を変えては舌を割りいれ、舌を絡め取られ何度も何度もきつく吸われる


「……ふ……ん、んっ……」


口端からは、どちらのモノともいえない混ざり合った唾液が零れ落ちる


それでもなお、執拗に私の唇を塞ぎ続けたまま……
大きな手が、身体のラインをなぞるように動きだす


「アッ………」



その手が胸の膨らみに触れる
大きな掌で包み込み、強く弱く……
強弱をつけて揉まれる中、指先が先端の部分をギュッと摘まんだ


「ア…ンッ……」



塞がれた唇が解放され、突然の強い刺激に思わず甘い声が零れた



そして……
その唇は首筋を伝い鎖骨……胸の先端へ……
滑るように動き這い回る感触に、背筋がゾクッと震える


片方の膨らみは手で揉まれ、もう片方の膨らみの先端は濡れた舌先で弄ばれている

相変わらず視界はぼやけたまま……
そのまま身を委ねてしまいそうになった、その時……



(なにか違う……気がする、……本当に遼一さん……なの?)



ふとそんな疑問が浮かび、身を捩り抵抗をした

けれど……


身体の上に圧しかかる重みと、押さえつけられた力には抗うことはできず
そのまま……


執拗に繰り返される胸元への愛,.撫に、耐えようのない快,楽が襲,い…
次第に抗う気さえ薄れていく



「あ……っん……っ……」



いつしか私の口からは甘い声だけが零れ、甘美な刺激の誘惑に身を委ねていた








⑫につづく……