【妄想ガール】
眠らぬ街のシンデレラ~廣瀬遼一&…~
妖かしの夜⑩
カジノフロアの責任者に最後の指示を言い渡し会場を出ようとした、その時―――
「皐月さん!」
不意に背後から呼び止められる
「なんだ…未来か……」
「どうした?」
「すごいよね~今回のイベントって!」
「みんな、盛り上がってるよね~」
「ああ、楽しんでもらえて、私もとても嬉しいよ」
「ふふ、さすが北大路グループだね!」
「皐月さん、太っ腹っ!!」
「はは、今夜限りのイベントだ、思いっきり楽しんでもらわないとね」
「うん!」
「ところでさ~」
「……遼くんとポーカーの勝負をしてる人たちって……」
「皐月さんの知り合いなの?」
「……あ、ああ、そうだが……」
「ふ~ん……」
「プロって感じだよね、ゲーム運びとか……」
「………」
「遼くんが、あんなに苦戦するなんてさ…」
「………」
(未来……何が言いたい? まさか、気づいたというのか…?)
(この私の計画を………)
「でも、あんな遼くん、滅多にみれないから…なんかワクワクしちゃうな!」
「マリアちゃんにも、見せたかったな~」
「ああ、そうだな……」
「あ、皐月さん今からどこか行くとこだったの?」
「ああ、これから大事な商談があってね」
「へえ~こんな日にまで商談だなんて……」
「はは、今日はオールナイトで営業中だからな……」
「そっか、大変だね~じゃあ、僕もルーレット回してこようかな~」
「じゃね、皐月さん!」
「ああ」
私はホッとした表情を隠し気持ちを落ち着かせ、普段通りの微笑みを未来に向けた
いつもとなんら変わることのない振る舞いをそつなくこなしながら……
全てが普段通りに、誰にも気づかれないように……
私は会場を出ると、上着のポケットの中に忍ばせたマスターキーをギュッと握りしめた―――
⑪につづく…
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いや~なかなか…核心にたどり着けず……
またまた、歯がゆい感じで終わってしまいましたが……
やっと…次回は……
ついに…次回は……
いよいよ、クライマックスです!!
たぶん…(笑)