【妄想ガール】
眠らぬ街のシンデレラ~廣瀬遼一&…~




妖かしの夜⑨




…side




私はひたすら感情を押し殺していた
誰にも悟られないように……


今から迎えようとする極上の時間のために、
全て計画通りに準備してきたのだから、
誰にも気づかれぬように……


今日のこのイベントだって……

誰一人として、気づいていないだろう
全てこの計画のための前座に過ぎないのだと……



私は、今にも踊りだしたいほど浮かれている自分を抑えるのに必死だった


本当は、今すぐ大声で叫びたい
やっと…やっと、この時を迎えるのだと……
ついに、この手で触れられるのだと……


想像しただけで、微笑まずにはいられない
あの柔らかそうな白い肌…
その白い肌が、ピンクに染まる瞬間…
そして……


あの唇から発せられる甘い声……


早く……この腕に抱きしめたい
早く……この腕の中で乱れ…歓喜に啼き叫ぶ…声が聴きたい



だけど今あなたは…
まだ深い眠りについているね……
あと、少しだけ眠らせてあげるよ、もう少しだけ……
1滴のシロップの効果は、もうすぐなくなるだろうから…


目覚めた時は、私の腕の中に……
そして、めくるめく甘美な時を一緒に過ごすんだ
最高の快楽とともに……



全てはそのために…
それだけのために仕組んだのだから…
誰にも気づかれないように…


一夜限りの、狂愛の夜のために……






⑩へつづく……