~グッドEND~
「総司さん、今日はこんなサプライズを用意してくれて…本当にありがとうございました」
食後に改めてお礼を言うと、総司さんは涼しい顔でコーヒーカップを卓上に戻しながら言う
「何を言っているんだ、こんなのサプライズのうちに入らないぞ」
「え……」
目を丸くして驚くと、総司さんは不敵な笑みを浮かべた
「お前への礼がこの程度で済むはずがないだろう?」
「えっ……まだ何かあるんですか?」
驚きと期待を込めた目で見上げると、総司さんはスッと席を立った
「少しここで待っていろ」
席を立つ総司さんの後ろ姿を見つめながら、その場で呆然とすることしかできなかった
「これが、今夜のメインだ」
「これって……?」
「……バレンタインのお返しだ」
戻ってきた総司さんが手にしていたのは、小さな箱だった
ダマスク柄のいかにも上質そうなリボンが巻きつけられている
「…お返しまで買ってくれてたんですか?」
「………」
総司さんを見上げると、何か言いにくそうに口元を手で覆った
戸惑いながらじっと見つめていると、総司さんはぼそりと呟いた
「……既製品じゃない………」
「オレが作った菓子だが……味は保障する」
「………」
「……えぇっ!?」
予想外の言葉に、思わず声を上げてしまった
「そ、そ、総司さんの…手作り?」
「……本当に、本当に総司さんがお菓子を作ったんですか!?」
「………」
お菓子作りをしているところを想像できず言葉に詰まっていると、総司さんはシビレを切らしたように言う
「いるのか?いらないのか?……どっちなんだ」
「い、いります!!」
総司さんの手から、慌てて箱を受け取った
(信じられない……総司さんが、私のためにお菓子を……)
手の中の箱をまじまじと見つめていると、向かいから呆れたようなため息が聞こえた
「それは、観賞用じゃないぞ」
「うまくできたとは思うが……味をみてくれないか…」
顔をあげた視線の先にいたのは、かすかに頬を染めた総司さんだった
なぜか不機嫌そうな様子も、タダの照れ隠しなのだと分かる
それだけで、顔が緩むのを止められない
「……おい、ニヤニヤしていないで早くしろ!」
「はい、それじゃあ さっそく……」
少しだけ心配そうな総司さんの視線を受けながら、初めて贈られた彼からの手作りのお菓子を開封したのだった……
イケない契約結婚
(C)Arithmetic
≪⑥プレミアENDにつづく≫
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総司さんがお菓子作りって……( ´艸`)
ヒロインちゃん、愛されてますね~~
ホントに総司さんは、ヒロインちゃんと出逢って…
変わっちゃいましたね~
こんな激優しい総司さんも嬉しいんだけど……
やっぱり総司さんといえば、鬼畜…ミスターパーフェクトな訳で……
もっと……らしさがあってもいいんじゃないかとさえ思ってしまいます……
でも、総司さんぐらいストレートに愛情表現する人ってまずいないから…
ニヤニヤは止まらないんですけど……
総司さんの作ったお菓子…食べてみたいな~~
きっと、売ってるものよりおいしいと思うな~
なんてったって、ミスターパーフェクトですから……о(ж>▽<)y ☆