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期間限定☆有馬志信とバレンタイン 




                   





~プレミアエンド~




「ラッピングもこれでよし、と……」


片付けも終わり、全ての準備が整った時、扉が開く音がした


「……志信さん!」

「準備できたか?」

「はい、終わったところです」


ニッコリ微笑む私の手元を見て、志信さんの表情も緩む


「…それは、オレにか?」

「はい」


包みを渡すと、瞳を細めた志信さんにそっと頭を撫でられる


「ありがとうな…」
「今日のためにずっと準備してくれてたのか?」

「はい、いろんな人に協力してもらっちゃいましたけど…」

「そうか……それじゃあ、早速出かけるぞ」

「へっ?」



てっきりすぐにチョコを食べてくれると思っていたせいで、拍子抜けして思わずマヌケな声を漏らしてしまった


「今すぐにお前のチョコを味わいたいところだが……お前にも早く見せたいものがあるんだよ」

「私に? …見せたいもの?」

「ああ、オレだって…お前に何も用意してないわけないだろ?」
「…オレたちはお互いに、内緒で準備してたってわけだ」

「志信さん……」


目を見張った私の手を引き、志信さんはとある場所に向かった


到着したのは……


志信さんが『バレンタインイベントの準備をしている…』と言っていた、別店舗だった



「あれ?……今日はこの店でもイベントやっているはずじゃ……?」

「ああ、やってるよ」
「お前のためだけの、特別イベントだ」

「……・なっ!」


進んだ先で待ち構えていたのは……一組分だけ用意されたディナーテーブルだった


「嘘……こんな……・」


普段、店にはおいていないはずのアンティークのテーブルには、私が好きだと言った色のクロスがかけられ、一緒に買い物に行ったときに見つけた、フラワーアレジメントが飾られていた


「今日はお前のためだけの、バレンタインディナーを用意した」
「ゆっくり、堪能してくれよ?」

「す、すごい……」

(ここのところ志信さんが忙しかったのって……全部、私のためだったんだ…)



用意されたサプライズに感動していると、志信さんがそっと腰を抱いてテーブルまでエスコートしてくれた


「どうぞ、こちらへ…」


普段とは違う、ことさら丁寧な口調で言われ、椅子を引くその美しい所作にドキリとしてしまう


(こんな志信さん、初めて……)


テーブルにつくと、志信さんが料理を運んでくる
まるで、お姫様にでもなったかのように感じる


「ハッピーバレンタイン!」


シャンパングラスをチンッと会わせる音が響き、二人だけの、特別な夜が幕を開けた ――


「すご~く美味しかったです!」
「…志信さん、料理も上手なんですね」

「お前の口に会ってよかったよ」
「でも、これで終わりじゃねぇからな…」

「え……!?」


志信さんは意味深な笑みを浮かべ席を立った

厨房から戻ってきた志信さんは、デザート皿を手にしていた


「バレンタインにはやっぱりチョコが必要だろ?」

「わぁ…おいしそう!!」


お皿には、フォンダンショコラが一つだけのっていた


「……志信さんは食べないんですか?」

「オレにはもうあるだろ?」

「あ……」


そう言いながら、志信さんは私の上げたチョコの包みにそっと唇をつけた



「…じゃ、じゃあいただきます」


その仕草にドキッとしてスプーンを手に取ると、伸びてきた志信さんの手がやんわりとそれを止める


「待て、オレが食わせてやる」

「……えっ」


志信さんはゆったりと微笑み、フォンダンショコラを一口すくったスプーンを……
当たり前のように私の口元に差し出した



「ほら…」

「……いただきます」


緊張しながら口をつけると、志信さんが愛しむように瞳を細めて微笑む


「うまいか?」

「…はいっ、とっても……」

「そりゃよかった」
「……じゃあ、オレも…」


志信さんは丁寧に包装を解くと、私の作ったチョコを口に放り込んだ


「…へえ、ラフロイグか……」


驚いたように一瞬目を開き、その口元にはすぐに笑みが浮かべられる



「甘すぎなくて、酒を飲むみたいにいくらでもイケそうだ」

「よかったぁ……」


志信さんの好みのチョコレートを作ることができて嬉しく思っていると、突如、志信さんが満面の笑みでテーブルに身を乗り出した


「…・あの?」

「そういや、そっちの味見がまだだったな…」

「あっ!!」


頭を引き寄せられ、あっという間に唇を奪われてしまう……

口の中でフォンダンショコラの甘さと、志信さんの食べたビターなチョコの風味が混ざり合う



(どうしよう…なんだか、クラクラする)


「少し甘すぎたか?」
「う~ん、よくわかんねぇな……もう一口」



上唇を甘く噛まれ、開いた瞬間に舌先が入り込んだ

深く求められたキスのせいか、それとも……
チョコに入っている洋酒のせいか……
角度を変えて何度も唇を合わせるうち思考がぼんやりとしてくる


「志信、さ……」

「おい、まだ寝たりするなよ?」


クスッと笑みを零し、向かいに座る志信さんが立ちあがる
ぼんやりその姿を見つめていると、志信さんに抱き上げられた


「そろそろオレの、デザートタイムだ」
「……バレンタインは、これからが本番だろ?」


耳元で囁かれる言葉に、とめどなく胸の高鳴りを覚え……
チョコの香りに包まれながらまだまだ続く甘い甘~い時間に酔いしれたのだった―――




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~プレミアムエンド fin~




イケない契約結婚
(C)Arithmetic



 

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志信さん、プレミアエンド……
甘かった~~

デザートタイムはこれからだ…って……(//・_・//)  
とっても、気になるんですけど?

続きないんでしょうか??

妄想だけが…膨らんでしまいます(///∇//)


でも、志信さんって……
料理やお菓子まで作れちゃうんですね~~
凄い!!


ということで、イケ契期間限定バレンタイン!
総司&志信が無事終わりまして……

ちょっと一言、ご挨拶!!

時季が外れてしまったにもかかわらず、たくさんの方にお付き合いいただきまして
ありがとうございました!

今回のこのイケ契記事をきっかけに、新たにイケ契ファンが増えてくれたみたいで…
と~~っても嬉しく思ってます!!

また、時間があれば…ぜひお立ち寄りくださいね~~!!