②はこちら…☆




期間限定☆有馬志信とバレンタイン 




                   








「どうしたの、そのチョコの山…」

「お前、もしかして自分で……」

「違うよ! そんなことするわけないでしょ!」



揃って目を丸くして冬太くんを見ると、可笑しそうに笑った



「お忙しいお姉さま方のための、チョコ確保代行ってやつ……」
「この時期のちょっとした小遣い稼ぎってところ」

「……なるほど」


言われてみると、冬太くんが手にしていたのは…どれも並ばなければ手に入らない人気店の品だった


「……でも、男がチョコを買いあさるって……ちょっとイタイけどね」

「……ふふっ」

「そうだ、マリアさん!」

「…なに?」


冬太くんは、キラキラした瞳でまっすぐに見つめてくる


「もちろん、俺にもくれるよね?」

「……えっ」


グイッと顔を覗き込むようにして聞かれ、冬太くんの顔が間近に迫った



「コイツがどうしてお前のために用意しなきゃならないんだ?」

「ちょっとくらい、幸せを分けてくれてもいいんじゃないですか?」

「幸せを分けてくれ、だと? バカ言ってんじゃねぇよ!」


志信さんは拗ねるように言う冬太くんから私を引き離し、腰に腕を回して自分の方へと抱き寄せる


「きゃっ」

「気安くヒトのもんに近づくんじゃねぇぞ、冬太…」
「それに、残念だがコイツにはよーくいいきかせてあるんだ」
「オレ以外には愛想をふりまかないように、ってな」


見せつけるよな素振りで、志信さんの指先が耳の輪郭をなぞるように這った


「……っ」


思わず漏れそうになる声を、どうにか押しとどめると、その様子を見ていた冬太くんは、大げさにため息をついて見せた


「はいはい、ごちそうさまです」

「なんだよ、もう腹いっぱいか?」
「いくらでも見せつけてやんのに……」

「し、志信さん……!」



からかうようにな口ぶりで言いながらも、志信さんが離れる気配はなく、
冬太くんが店を出ていった後も、志信さんは私を抱き寄せたまま離そうとしない



「あの……志信さん……そろそろ離して下さい……」

「……ムリな相談だな」

「なっ……」


不敵に笑い、志信さんがますます身を寄せる


「そんな誘うような顔で何を言っても無駄だ」

「わ、私は別に……!」


恥ずかしがる私のことなんて全て見透かしたように、志信さんはうっすら笑みを浮かべ、さらに強く抱き寄せた


「……恥ずかしいのか?」

「そ、それは……」


突然耳元で囁かれ、否応なしに鼓動が速まる


「そんな反応されると……余計に恥ずかしがらせたくなるって、お前ならわかるよな?」

「……っ、志信さん……」


腰を抱いていた手に力が込められ、これまで以上に二人の身体が密着した
間近で志信さんが不敵な笑みを浮かべるのが見え、メモ合わせていられなくなるほど動揺してしまった


「大丈夫、他のヤツラはみんな…お目当てのものしか見てねぇよ」

「え……」


そう言われてチラリと周囲に目をやると、みんな商品を手に取り、選ぶのに夢中のようだった


「…っな、あんなに真剣に選んでんだ、誰も俺たちのことなんて気にしてないだろ?」

「でも……」

「”でも”じゃねぇ…」


グッと顎を掴まれ、俯きかけた顔を上に向かされる
そして、志信さんの射抜くような視線ににとらえられてしまった……


「オレがオレのものに、いつキスしようがいいだろ? 誰にも邪魔させねぇ…もちろん、お前本人にもな

「志信さ……」


呼びかけた名前を遮るように唇が重ねられた

チョコレートの甘い香りの中で……
溶けてしまいそうなほど熱いキスを受け止めながら、気づいた時には私はもう……
その熱いキスに応えるように志信さんの背中に腕を回していた





≪④につづく≫




イケない契約結婚
(C)Arithmetic






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そうそう、コレっ!!

志信さんと言えば…人前で……
誰かに見せつけるように、人前でするキス・・・・・
ここでも健在ですね~
それも、チョコレート売り場で……

いくら周りの人は…チョコ選びに夢中だったとしても、
こんな公衆の面前で……なんて……

それに……志信さんも、総司さんに負けず劣らずヤキモチ妬きですね~~

う~ん…志信さんもやっぱりいいな~~!!