⑥はこちら…★


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期間限定★白金総司とバレンタイン




                          





~プレミアエンド~




あの日から……
なんとなくすれ違ったまま、話し合いが進展しないまま……
迎えてしまったバレンタイン当日―――



はあ~せっかく今日のために準備してきたんだし……チョコを渡して……気になってることは全部総司さんに聞こう……)


教室に出かける準備をしながら、先日のホテルでのことを思い出す



( 『他のヤツには渡さない……』 って……)
(…あれじゃあ、まるで私が浮気でもしてるみたいな言い方だった……)


すれ違ってしまっている気持ちを繋ぎ直すのに、バレンタインチョコの力を借りよう
そう決意して家を出ようとした時、ちょうど電話が鳴った



「はい、白金でございます」

『オレだ、今仕事で近くまで来ているんだ』
『……一緒に昼食をとらないか?』

「(そ、総司さん!?) えっ、えっと……」



まさか、総司さんからランチに誘われるとは思っていなかったせいで動揺を隠せない
こんなことは初めてで……先日からギクシャクしたままだったこともあって、行きたい気持ちはあったけれど、
でも、今日だけは………


「ごめんなさい、今ちょっと手が離せなくて……」

『……そうか、それなら仕方ないな』

「あ、あの~今日、早く帰れるんですよね?……ごちそう作って待ってますから」

『ああ……』



私は心の中で何度も謝りながら、急いで家を出た




「…………手が離せない、か……」
「ふっ、オレも随分嫌われたな……」


足早に、息を弾ませて出かけてゆくマリアの姿を見つめ、
自宅近くに停めた車にもたれ、一人自嘲的な笑みをこぼした……




×  ×  ×  ×




(……総司さん、喜んでくれるかな?)


お菓子教室で無事に最後の仕上げを済ませ、逸る気持ちを抑えながら帰宅すると――――


「おかえり」

「えっ、総司さん!?」


聞いていた帰宅時間よりもだいぶ早い時間だというのに……
総司さんはリビングのソファで私を待ち構えていた


「あ、あの……」

「このまま出かけるぞ」

「えっ!? で、出かけるって…ど、どこへ……!?」

「いいから来い」


戸惑う私のことなど気にもせず、そのまま有無を言わさず腕を引かれ……
私は帰宅したばかりの家を後にした



×  ×  ×  ×


「着いたぞ」

「ここは………」


忘れもしない……ここは、私たちが将来を誓い合った場所―――


(どうしてこんなところに……?)



静寂に包まれる厳かな雰囲気の教会の中で、総司さんはバージンロードを私の腕を引いて進み、祭壇の前でようやく立ち止まった

そして、真剣な表情の総司さんと向かい合わせになる


「マリア……ここで誓った言葉を覚えているか?」

「え、………あ、はい、もちろんです、忘れるはずありません」

「『健やかなる時も、病めるときも…喜びの時も悲しみの時も…お前を愛し敬い、この命ある限り、真心を尽くす』、オレはあの日……そう誓った」

「…はい」


私の両手を取り、誓いの言葉を告げる総司さんからは……
なぜか、いつもの余裕を感じられず……
いつもはからかうように緩められる口元も、今はまるで…緊張しているかのように引き締められている


「お前がオレを支えてくれるからこそ、オレはいつだって仕事に集中できる」
「お前が家にいて、笑顔でオレを出迎えてくれるからこそ、働いて疲れた心も体も癒される」

「あ、あの……総司さん? いったい、どうしたんですか?」

「いいから黙って最後まで聞け」



照れくさいのか、総司さんの頬がかすかに赤く染まる


(どうして今、ここでこんなことを……?)


そんなことを疑問に思いながらも、総司さんの真剣なまざしと真摯な言葉に……
驚くほど私の胸は高鳴っていた

静かな教会内に、総司さんの落ち着いた声色が響く……



「ここのところ……お前と二人の時間より、仕事の拘束時間が長かった」
「お前に少し、寂しい思いもさせてしまったかもしれないな……」
「……すまなかった」


総司さんは思い起こすように語りながら、ぎこちない仕草でメガネを押し上げる
……その仕草が妙に愛おしくて……私は思わず顔がほころんでしまった


「なにを笑っているんだ」

「だって……急にそんなこと言ってくれるから、どうしたのかと思って……」

「元はといえばお前が原因だろ?」

「えっ?」
(私が原因って……? どういうこと……)

「あ、いや……今はそんな事どうでもいいな」


総司さんは話を戻すように一つ咳払いをして、再び真剣な眼差しで私を見下ろした



「オレの気持ちは、何一つあの時間(とき)から変わっていない」
「……この命ある限り、お前だけを愛している」

「……っ」


握った手に、ギュッと力が込められる


「仕事で離れていても…二人の時間があまり取れなくても、お前の事を考えない日はない」

「総司さん……」

「……オレはもう、お前のものだ……だから…」


伸びてきた総司さんの手にそっと頬を包まれる


「……お前も、オレだけのものでいろ」
「お前を他の男に譲るつもりは、さらさらない」


(………えっ?)

「そ、総司さん……?」
「それって……まるで私が他人の人のモノになろうとしてるように聞こえますけど……」

「………」


疑問を投げかけると、総司さんもようやく話を止めてくれた


「……私だって、あの日あの瞬間から……一度だって気持ちは揺らいでません」
「私はいつも、総司さんだけを想ってます」
「私の全ては総司さんのものです」


「……でもお前が、この前……他に男が出来た……と」

「えぇ~~!?」


驚いて声を上げると、総司さんも目を丸くしていた


「この前、お前が言ったんじゃないか……他に好きな人が……できた、と」

「え? そ、それは…私が総司さんに聞こうとしていたんですっ!」
「総司さんに、私以外に好きな人ができたんじゃないか…って……」


「どうしてオレに……」
「お前はオレの知らない所で男に会っていたり……」
「……今日だってオレの誘いを断って、どこかへ……」

「し、知ってたんですか!?」

「ああ……説明してもらおうか」



私は困惑顔の総司さんに、そっとチョコの包みを渡した


「これは…?」

「私が作った…チョコレートです」
「……今日のためにバレンタイン限定のお菓子教室に通っていたんです……」

「バレンタイン……バレンタイン……?」


言いなれなさそうに言葉を繰り返す総司さんの目が、みるみるうちに見開かれる



「やっぱり忘れてたんですね…」
「今日は2月14日、バレンタインデーですよ」

「女性が、好きな男性にに愛を告白する日です」
「……私は好きな人から告白されちゃいましたけど……フフ…」

「………そ、そういうことなら、早く言え」

総司さんはようやく全て理解したようにさらに頬を染め、照れ隠しのような強い口調で言いながら…チョコを受け取ってくれた


「……フフ」

「笑うなっ・・・・・・」


総司さんは今までの疑問が…全て晴れた笑みを浮かべると、私を強い力で抱き寄せた
そして耳元で囁く


「今回のことは……オレの早とちりだったかもしれないが……」
「さっきの言葉は全て本当だ……一生揺るぐことはない」

「お前を幸せにできるのは俺だけだ……そして、お前は俺だけのものだ」


「……総司さ、ん……」


嬉しさのあまり、言葉に詰まり俯く私の顎をつかまれ上を向かされると、総司さんの熱い眼差しが私を見つめていた
その顔には…さっきまでの困惑の表情など、微塵も見られない

見つめ合っていると、総司さんがフッと笑みをこぼす



「オレをここまで情けない男にするのは…お前だけだな…」

「…そ、そんなこと……」

「それに……オレがここまで愛するのも……マリア、お前だけだ」

「………」
「……私もです、私が愛するのは…総司さんだけです……」



どちらからともなく……引き寄せられるように距離が縮まり
どちらからともなく……唇を重ねた


誓いを立てたあの時のように……
お互いの熱を伝え合っていると、唇をわずかに離した総司さんが耳元に顔を寄せた



「このチョコは後でゆっくり味わわせてもらう」
「……誰にも邪魔されない場所で、お前を味わいながら……な」

「……っ」


甘い痺れを呼ぶ囁きを聞きながら……
静かな教会の中で二人の唇は再び重なりあった……


永遠を再び誓い合うように………





~プレミアエンド fin ~




イケない契約結婚
(C)Arithmetic





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総司さ~ん!!

甘い、甘すぎる~~
プレミアエンド……こうきましたか~~(//・_・//)

もう、レポってて…ニヤニヤが止まりませんでした~~(///∇//)
言ってほしいセリフばっかりなんだもん…

こんなね~現実では絶対考えられないんだけど……
いや~~でもね~
総司さんを愛する乙女には、このセリフは……反則でしょ!?って感じです!

期待以上に良いシナリオで…大満足です!

ごちそうさまでした~~!



と、いうことで……
世の中はとっくにバレンタイン終わっちゃいましたが、
次は、志信さん…いきたいと思います!!


よろしかったら、お付き合いください!!