④はこちら…★




期間限定★白金総司とバレンタイン




                          








数日後―――


「今日、お前が行きたがっていたフレンチレストランを予約をしておいた」

「えっ……」



朝食をとりながら、総司さんがそう告げる



「前に雑誌を見て言っていただろう?」

「……はい、ずっと気になってたので嬉しいです、けど…でも・・・・急にどうしたんですか?」

(なんだか最近、こういうことがよくある気がする)


「何がだ?」

「だって今日は、特別な記念日でもなんでもないのに……あんな素敵なレストランを…」

「記念日じゃなければ、妻を食事に誘ってはいけないのか?」

「そ、そうういうわけじゃないですけど……」



ククッと笑って、食事を終えた総司さんが席を立つ




「じゃあ、行ってくる」

「はい」


総司さんの後をついて玄関まで同行する


「今日もこんな早くから出勤で大丈夫ですか?」
「昨日帰ってきたのも、日付が変わってからだったのに……」

「このところ、仕事が詰まっていてな…」

「あ、あの…やっぱり今日は……」

「変な気をつかうな」


言おうとしていたことがわかったのか、靴を履き終えた総司さんはそっと私の頭に手を乗せた
その手が、安心させるようにそっと髪を撫でる



「疲れている時だからこそ、お前との時間を取りたいんだ」
「……今夜、楽しみにしている」

「総司さん……はい、私も楽しみにしています」


俯きがちに微笑むと、総司さんの顔が耳元に迫った



「それはもちろん、ディナー後も…という解釈でいいな?」

「えっ!?」

「…ホテルのレストランに行くというのは……そういうことだろう?」
「…楽しみにしている」

「……っ」



顔を真っ赤に火照った私を見ておかしそうに笑うと、総司さんは上機嫌で玄関を後にした



(なんだか総司さんの様子がおかしい……気がする……)
(気のせいかな……)


何とも言えない違和感を残したまま―――

私は今日もバレンタインお菓子教室に出かけた
思ったよりも早く着いてしまいカフェで時間を潰していた


(…総司さん……なんだか無理に時間を作ろうとしてくれてるみたい……)



「……マリアちゃん?」

「え……」

「こんなところで奇遇だな」

「こんにちは」

「有馬さんに西園寺さん?」



顔を上げると、有馬さんと西園寺さんが立っていた



「一人でお茶してるなんて…珍しいな」

「あ、ちょっと時間潰しなんです」

「マリアさん、この前もここにいませんでした?」

「え、どうしてそれを…?」

「ここで男とお茶してるのを見かけて……」

「男だって? マリアちゃん、それ本当か?」



西園寺さんの言葉に、有馬さんはからかうような眼差しを向けてくる



「お菓子教室の帰りに知人に会って…話し込んじゃっただけです」

「お菓子教室?」

「あっ……」


何の気なしにポロリと言ってしまい、慌てて口をつぐんだ時にはもう手遅れだった


有馬さんが『ははーん』とでも言いそうに瞳を細める


「さては総司のため…だな?」

「そ、それは……」

「全然、隠せてませんよ」


興味津々の二人に笑顔で迫られ、事情を話さないといけない状況になってしまった





≪⑥につづく≫



イケない契約結婚
(C)Arithmetic





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キャー総司さ~~ん!!

ちょ、何、このセリフ……

「疲れてる時だからこそ…お前との時間を取りたいんだ」


もう、この言葉に……またまたやられてしまいました~(//・_・//)


総司さん…いいな~~

うん、ディナーの後も…楽しみだ( ´艸`)