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もうすぐバレンタイン…

今年は何を渡そうかな…?


白金に内緒で通い始めたお菓子教室
そのことがもとで、二人の関係は可笑しくなり始めて……

甘いチョコにもう一度二人の未来を誓い合う


期間限定★白金総司とバレンタイン





                           





「今日はずいぶんと冷えるな」

「そうですね」


二月にが入り、本格化した寒さに肩をすくめると、隣りにいた総司さんがそっと手を握った


「タクシーでも拾うか?」

「……このまま少し歩きませんか?」

「…それもいいな」


総司さんは私の言葉に優しく微笑み、握った手にギュッと力を込めた




「あ、白金さんじゃないですか」

「これは、ご無沙汰してます」


声をかけてきたスーツ姿の男性に、総司さんも笑みを向けた
きっと、総司さんの会社の取引先の人だろう


「奥様とデートですか? 羨ましいですね」

「ああ、ご紹介が遅れて申し訳ありません、妻のマリアです」

「はじめまして、いつも主人がお世話になっております」

「いえ、こちらこそ白金社長にはいつもお世話になっております……いやしかし……」
「これで、社長から…以前のようなお誘いがなくなったのが分かりましたよ」
「こんなお綺麗な奥さまが待っていらっしゃるのなら、早く家に帰りたくなるお気持ちもご察しします」

「…そんな……」



挨拶を終えると、男性は仕事の話を切り出した



(これは少し外した方がいいよね…)

「総司さん、私ちょっと向こうを見てきますね」

「ああ」


申し訳なさそうに頷く総司さんに断りを入れ、目の前の店舗に向かった


(あ、そう言えば、そろそろバレンタイン……今年はどんなものを用意しようかな…?)


ウィンドウには色とりどりのチョコレートが飾られている
商品を目で追っていると、そこに張り出された広告が目にとまった


「……バレンタイン特別お菓子教室かぁ…」


張り出されていたのは、期間限定の特別クラスの広告だった


(手作りって結構ワンパターンになっちゃうし……教室だったら、一人じゃ作れなかった新しいものも………)


「待たせたな」

「ひゃっ!?」


夢中で広告に見入っていたせいで、突然背後から声をかけられ、思った以上にマヌケな声が出てしまった


「どうしたんだ? そんな声を出して」

「べ、別になんでもないですっ!」
「もうお仕事のお話はいいんですか?」

「ああ、一人にしてすまなかった」
「急ぎの用件だけきいたから、もう大丈夫だ」

「そうですか、それならよかったです」
「じゃ、じゃあ、行きましょう」


広告を背に隠しながら、総司さんの背中を押した


「待ってる間に体も冷えちゃったので、温かいコーヒーでも買って下さい」

「……そうだな、確かに冷えてるな」

「……っ!?」


鼻先を軽くつままれ、思わずドキッと鼓動が跳ねる
私の鼻をつまみながら、総司さんはなぜか嬉しそうに顔をほころばせる


「子供みたいに冷えてるな」

「もうっ、誰が子供ですか!」

「…オレのせいだな」

「……っ」


今度は鼻先を親指の腹で優しく撫でられ、頬をそっと包まれる


「すぐに温かいものを買ってやる、それで許せ」

「……はい」


互いに微笑みあい、どちらからともなく再び手を繋いだ
絡まり合う指先から、総司さんの温もりが伝わった



×  ×  ×  ×



ある日の午後―――

とある場所に電話をかけていた


「あの、広告を見てお電話したのですが……」
「バレンタイン特別教室の申し込みをお願いしたいのですが……」


街で見かけてからずっと気になっていたお菓子教室に、今日やっと総司さんの目を盗んで申し込むことにした

内緒で計画を立てて……総司さんがどんな顔をするのか、今からワクワクする


「……はい、ではよろしくお願いします」


「マリア、入るぞ」

「――アッ!?」


扉をノックする音が響き、慌てて通話を終わらせた


「…電話中だったのか?」
「話し声が聞こえたようだが……」


「そ、そうなんです……!」
「新しくお菓……お料理教室に通い始めようかと思って…」


全てを悟られない程度に説明をすると、総司さんは意外そうに目を丸くした


「どうしてお前が教室に通う必要があるんだ?」

「どうして、って……?」


ジッと見つめられ、視線を合わせながら鼓動が速まる


「お前の腕前なら、今さら教室に通う必要などないだろう?」

「え……」

「意外そうな顔をするな、いつも言っているはずだ」
「お前の作る料理は……オレを真っ直ぐ家に帰宅される、とな…」

「総司さん……」

確かにいつも言われている言葉なのに……
改めて言われると、無性に胸の辺りがくすぐったい


「…………」


そんな私を見て微笑むと、総司さんは不意に私の肩をトンッと押した


「え……っ」


軽い衝撃だったけど身構えていなかったせいで、簡単にベッドの上に倒れ込んでしまった






≪②につづく≫




イケない契約結婚
(C)Arithmetic





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総司Loversのみなさ~~ん!
お待たせしました~~γ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ


総司さんのバレンタインイベントが始まってます


私個人的には、すご~く大好きなストーリーとなっておりますので、
バレンタインのチョコのような、総司さんとの甘~~いイベントをお楽しみください!!


総司さん…久しぶりなんだけど、すご~くいい~~!!
総司さんの、独占欲や、妬き加減が絶品ですよ( ´艸`)