Bed Time Story… (番外編)


~Girl's Talk③~矢野風子





「…いたって普通って……」

「マリア、あんたね~~もう……」


風子は、突然ベッドから抜け出すとベッドの上に座り直し、

トントンと自分の座ってる前を叩き、私にもここに座りなさいとに、有無を言わさぬ態度で促す



(うっ、な、なんで~~?)

(風子…絶対酔ってる……よ…)


私は、言い出したら聞かない風子のことだからと、仕方なく風子に向かい合う形で座った




「いいこと? 仮にも『あの廣瀬遼一』なんだよ、マリアの彼は! わかってる?」


「う、うん」


「何度も言うようだけど……『あの廣瀬遼一』が、普通で満足するはずないでしょ?」

「あれだけ数々の浮名を流してきたんだから……ありとあらゆるプレイ…してきてるでしょ?」


「ありとあらゆる…プ、プレイ……!?」


「そっ、その証拠に……」


「しょ、証拠に……?」


「…すごく上手でしょ?」


「じょ、上手、って………」



私は、ふと脳裏に遼一さんに抱かれる自分の姿が浮かび、思わず一人赤面してしまった…



そんな私の様相を、風子は見逃すわけがなく……




「ちょっと~もう、勝手に思い出して…照れないでよ~~」


「ご、ごめん……」


「あ~ん、マリアが羨ましい~~!」

「私もあんなイケメンでセレブで……思い出して赤面するほどH上手な彼が欲しいよ~~!」



風子はそう言うと、私にガバッと思いっ切り抱きついてきた



「キャッ!」

「ちょ、ちょっと風子~~」


私は風子に押し倒されて、風子が私の上に覆いかぶさった



風子は私を見下ろすと、トロンとした瞳で私を見つめ、艶っぽい声で私の名前を呼んだ



「マリア……」


「ふ、風子……!?」

(ちょっと、風子ってばどうしちゃったの?なんだか…変…)


(えっ!? う、嘘……!?)



風子の顔が、どんどん近づいてくる………


風子の吐息を感じ、もう少しで唇が触れてしまう距離でまで近づいたところで、

私はギュッと目を瞑った








≪④につづく≫