Bed Time Story… (番外編)



~Girl's Talk①~矢野風子







「ねえ、マリア? 今度の週末、泊まりにこない?」


「…えっ? うんいいけど……どうかしたの?」


「……久しぶりにマリアと、ゆっくりしたいかな、って思って!」


「うん、そうだね!」



突然の風子からの提案に、私は心を弾ませた



風子は、私が遼一さんと同棲することになった半年前まで、ルームシェアで一緒に暮らしていた

とても気心の知れた同僚で、何でも話せる大事な親友である。




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そして週末――




「ふふ……、マリアとこうやって一緒のベッドに入るのって……」

「……どれくらいぶりかな~」


「う~ん、半年振りかな~?」


「そっか、もうそんなになるんだね……」


「……うん」


「あ、そういえば、今日家に泊まるってこと…廣瀬さんは大丈夫だったの?」


「うん、大丈夫、久しぶりなんだから、ゆっくりしてきなさいよ、って!」


「さすが、廣瀬遼一!余裕の発言だね~~」


「だって、風子と一緒なんだもん…風子のことは、遼一さんも知ってるし……


「へぇ~~私廣瀬さんから、そんなに信用されてんだ~」





私と風子は、夕ご飯を食べて、お酒を呑んで……


一緒のベッドに入り、時の経つのも忘れたわいのない話(Girls Talk)

で盛り上がっていた…


もう、時計の針は24時を回っているのに…


まるで、修学旅行に来たときの気持ちにも似たような思いで、まだまだ寝付けずにいた




「ところでさ~マリア~~」


「ん? なに?」


「『なに?』じゃなくて~、どう?」


「……ど、どう?って…」


「廣瀬遼一との、同棲生活!」


「えっ? ……あ、う、うん…」

「……楽しいよ、とっても!」


「ふ~~~ん、どこが?」


「どこが…って…」

「毎日遼一さんの気配のする空間に居られることとか……」

「ふと、夜中に目を覚ましたときに、隣で寝息を立ててる遼一さんの顔を見たときとか…」



「はいはい、……ごちそうさま」

「もう、マリアったら…幸せオーラ全開なんだから…はぁ~~」



「もう、風子ってば…そんな大きなため息だしちゃって…」

「……風子こそ、どうかした?」



「う~ん……実はさ~、先々週の合コンで知り合った人のことなんだけどさ~~」



「え? 彼氏できたの? その人と付き合ってるの?」



「う~ん そこがさ~ちょっと微妙って言うか……」

「……なんていうか…」


「………?」




風子にしては珍しく、歯切れの悪い言葉じりだ




「あのね、外資系に勤めてる人なんだけど、考え方も外資系的っていうか…」


「外資系的な考え方って?」


「わりとカッコ良かったし、好みのタイプだったから……かなり盛り上がっって、連絡先交換して…」


「うんうん、それで?」


「お開きの後、10分しないうちにメールがきたのよ…」

「『さっきの店の前で待ってる』って…」



「うわっ、早い……」

「もちろん、行ったんでしょ?」



「う、うん…行ったことは行った…けど…」

「普通さ~、もう一軒行って飲み直すとか、カラオケとか…に誘うでしょ?」

「それなのに……いきなりホテルに誘われちゃって……」



「ホ、ホテルっ!?」



「そう、会ってから3時間で…いきなりホテル…これって、どう思う?」


「ど、どう思うって…って、聞かれても……」


「付き合ってくうえでさ、身体の相性はとても大事だから…とかなんとか、

もっともらしく言うんだけど…」

「…会ってから3時間って……」



「………(絶句)」



「そりゃあさ、相性ってのはあると思うけど……身体から入る関係ってどうなのよってこと」

「ね~チョー外資系的な考え方でしょ?」



「が、外資系的って……そ、そうなのかな…?」



「ねえ、マリアだったらどう?」



「どう?って聞かれても……私は…絶対ありえないかな」

「だって、まだその人のことが好きかどうかもわからないのに……」

「いきなり身体から…なんて、考えられないもん」



「マリアはそーだろうね~」



「……風子は、違うの?」



「う~ん、そこが悩むとこなんだけどさ~」


「いくら好きだ、愛してるって言ったって、あっちがいまいちだったらヤじゃない?」

「そりゃ、最初のうちは好きだーって気持ちだけが先走っちゃって、そんなこと

気にならないのかも知れないけど……」

「何回もしてたらさぁ~、そういうのって大事なのかなぁ~って…」


「うわっ、風子、大人……」



「あんたは、感心してる場合じゃないでしょ?」

「マリアは、どうなの?廣瀬さんとはうまくいってるの?そっちの方は・・・?」




「えっ?(そ、そんな…私にフラなくても…)」











≪②につづく≫








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秋の夜長の Bed Time Story… 第3弾



今回は、ちょっといつもと趣向を変えまして、

番外編として、ガールズトークをお届けします!



ヒロインが遼一と恋人設定で、同僚の矢野風子ちゃんとの、

会話形式で、

赤裸々ガールズトークをしちゃう!?


肉食で、超積極的な風子ちゃんに、恋愛テクを伝授してもらうヒロインとの

濃い~~トークをお楽しみ下さい!