続編☆白金総司
第11話:おかえり④(ラブルート)
~ラブルート~
「……い、いきなり何するんですかっ!」
「したくなったから、しただけだ」
「したくなったからって……」
「お前は、俺とキスするのは嫌なのか?」
「べ、別にそんなこと……」
「じゃあ、嫌じゃないんだろ?」
総司さんの顔が、どんどん近づいてくる
私が顔を逸らそうとすると、腰に手を回され、カプっと鼻を噛まれた
「いっ……!」
「……素直に答えろよ、お前に、嘘でも嫌だなんて言われると…・・・結構、傷つく……」
総司さんは、少しの間離れ離れになって、離婚までさせられそうになって、少しだけ弱気になっているのかもしれない
(自惚れすぎ、かな……)
片手を私の指に絡め、総司さんが甘えるように、おでことおでこを合わせてきた
「……嫌じゃ、ないです」
「………」
「う、嬉しい……です」
そう言うと、総司さんはすぐに睨むように私を見るのをやめ、嬉しそうに、にっこりと笑った
「……俺も嬉しい」
二人で顔を見合わせて、唇を微かに触れ合わせるだけの優しいキスをした
~ラブルート Fin~
× × × ×
「おっ、総司、マリアちゃん!」
「うわー 本当だー」
「ほらな?」
「今日は言うことを絶対聞くって、だから言ったろ」
「さすが…血が繋がってるだけあるね」
「……賭けでもしてたのか、お前らは……」
≪今日は花代もいるので、お店に来ること≫
有馬さんからの突然のメール
総司さんはまだ、帰ってきたばかりだというのに……
「今日はいろいろあったろ?」
「だからこそ、俺たちに世話になったからには絶対来ると思ってな」
「わざわざ花代がいるって文面をよこしてくるってことは、そういうことだと思った」
総司さんは怒ったように微かに目を伏せながら、カウンター前のスツールに腰を下ろした
今日はいつものクラブではなく、有馬さんとスタッフだけでやっているこじんまりとしたお店に来ていた
「確かに、今日はお前らの世話になったからな」
「なんだかんだ言っても、白金は義理堅いよね」
「お前に言われると、嫌味にしか聞こえない」
「ふふ、耳が肥えちゃったね、卑屈な方に……」
「………」
「ったくお前らは、出会い頭にいがみ合うなよ」
この二人のやり取りにも、なんだか慣れてきた気がする
笑いながら見ていると、ふいに花代さんと目が合った
「……災難だったね、本当に」
「マリア」
「はい?」
「花代は放っておいていいから」
「いえ、でもそんなことは……」
「本当に、王子様は嫉妬深くて嫌になるね」
「うるさい!」
総司さんにグイっと腕を引かれて、花代さんとは反対側の席へ座らさせられる
「総司はマリアちゃんに出会って、可愛くなったよなぁ」
「……何言ってるんだ、志信!」
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①前から可愛いです
「何言ってるんですか」
「ん?」
「総司さんは、前から可愛いですよ」
「……は?」
「何それ、のろけ?」
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②かっこいいです
「違いますよ」
「何が?」
「総司さんは、かっこいいんです」
「……マリア、お前」
「ラブラブだな~」
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③可愛いし、かっこいいです(5UP)
「甘いですね、有馬さん」
「甘い? 俺が?」
「総司さんは、可愛くてカッコいいんですよ?」
「バカ、お前何言って……る」
「うわっ、何それ!」
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「何を言うかと思えば……」
「愛されてるなー」
「ほんと、憎らしいくらい愛されてるね」
「私は総司さんの妻ですから」
「……だからって、お前なあ……」
有馬さんと花代さんに肩を小突かれて、お酒を片手に総司さんが困ったように額を押さえていた
「それで? お前はどうなんだよ」
「……は?」
「そうだよ、女性からこんな言葉をもらったんだから、倍にしてお返ししないと男が廃るよ?」
「なんでそういう話になるんだ……」
とうとう二人にからかわれ始めた総司さんは、お酒を煽りながら、眉間にシワを寄せていた
≪つづく≫
「イケない契約結婚」
白金総司(続編)
(C)Arithmetic
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~ちょこっと感想~
ちょっと、なんか……( ´艸`)
帰ってきたら総司さん、なんかキャラ変わっちゃってませんか?
すごく、甘えんぼキャラになっちゃってるみたいだし、
こんなにイジられキャラでしたか?
総司さんと花代さんの漫才のようなやりとり…
そこを止めに入ったり、時には煽る有馬さん…
その光景を、見てるだけのヒロインちゃん…
なんか、皆さんこんなでしたっけ?
それに、総司さんとヒロインちゃんは、まあ、前からバカップルぶりをご披露してはおりましたが、
こちらも更に磨きがかかったような…
気がしてしょうがないのですが……(^▽^;)